東京湾――
ドォォォォォン!!!
五人が激突した瞬間、衝撃波が海面を押し潰した。
巨大な水柱が幾重にも立ち上がり、ハルシオンとイーゼルの艦体を激しく揺らす。
「総員、衝撃に備えろ!」
ベルトの声がイーゼル艦内へ響く。
ハルシオンでもフランが冷静に指示を飛ばす。
「艦体姿勢維持。」
「護衛艦隊は隊列を崩すな。」
「了解!」
二隻の巨大戦艦は、一切戦闘へ介入せず、東京湾の防衛を維持していた。
爆煙の中。
最初に姿を現したのはグランだった。
「はぁぁぁぁッ!!」
拳を振り抜く。
オールドマンは紙一重で躱す。
その直後。
背後からマランが踏み込む。
「逃がさない。」
鋭い蹴り。
しかしオールドマンは身体を半回転させ、蹴りを受け流した。
「流石ですね。」
「二人同時でも、この程度ですか。」
「チッ……!」
グランが舌打ちする。
次の瞬間。
デウスが動いた。
「そこだ。」
視界から消えるほどの速度。
オールドマンの懐へ入り込み、一撃を放つ。
ドゴォォン!!
今度は避け切れない。
オールドマンの身体が数十メートル吹き飛び、海面を滑る。
「……!」
マランが目を見開く。
「速い……。」
グランでさえ口元を歪めた。
「やっぱり化け物だ。」
しかし。
海面へ着地したオールドマンは静かに眼鏡を直した。
口元から一筋の血が流れる。
「これほどの威力……。」
「さすが覇者の使徒。」
「ですが。」
「まだ足りません。」
その瞬間だった。
アメスが静かに前へ歩く。
紅い瞳。
柔らかな笑みは完全に消えていた。
「あなたは。」
「もう裁かれています。」
The Last Judgementer――最終審判。
半径十メートル。
オールドマンは再び能力範囲へ入る。
「敗北。」
アメスが静かに宣告した。
ズン……
世界が命令を受け入れる。
オールドマンの身体が重く沈み込む。
膝がわずかに折れた。
「ぐっ……!」
初めて苦悶の表情が浮かぶ。
「今だ!」
グランが叫ぶ。
デウスが一瞬で距離を詰める。
マランも左右から挟み込む。
三方向同時攻撃。
ドォォォォォン!!!
オールドマンへ直撃。
海面が大きく陥没する。
巨大な水柱が夜空を覆った。
その頃。
GENESIS内部
レイと一仁の戦いも最終局面へ入っていた。
「まだだァ!」
一仁が能力を解放する。
periculum――崩壊。
施設全体が軋む。
レイは真正面から拳を振る。
ドゴォォォォン!!
互いに吹き飛ぶ。
しかしレイはすぐ立ち上がる。
(ソウヤ。)
『終わらせよう。』
二人の意識が完全に重なる。
レイは深く息を吸った。
東京湾
爆煙が晴れる。
オールドマンはなお立っていた。
身体中から血を流しながらも、笑っている。
「……素晴らしい。」
「これほどとは。」
グランが眉をひそめる。
「まだ立つか。」
マランも構えを解かない。
デウスだけは静かだった。
「違う。」
その一言に全員が視線を向ける。
「何?」
デウスは地下から立ち昇る白銀の光を見つめる。
「奴は時間を稼いでいただけだ。」
オールドマンが笑う。
「その通り。」
「私の役目は終わりました。」
「……!」
アメスが表情を変える。
その瞬間。
ドクン――。
地下深部の鼓動が、これまでで最も大きく響いた。
東京湾の海面が大きく波打つ。
ハルシオン。
イーゼル。
護衛艦隊。
すべてが激しく揺れる。
フランが光を見上げる。
「来る。」
ベルソルトが叫ぶ。
「全艦、衝撃に備えろ!!」
そして。
GENESIS地下深部
白銀の球体の殻が、大きな音を立てて崩れ始めた。
東京湾の戦いは、なお続く。
しかし、真の脅威は今まさに目を覚まそうとしていた。
第117話 完
ドォォォォォン!!!
五人が激突した瞬間、衝撃波が海面を押し潰した。
巨大な水柱が幾重にも立ち上がり、ハルシオンとイーゼルの艦体を激しく揺らす。
「総員、衝撃に備えろ!」
ベルトの声がイーゼル艦内へ響く。
ハルシオンでもフランが冷静に指示を飛ばす。
「艦体姿勢維持。」
「護衛艦隊は隊列を崩すな。」
「了解!」
二隻の巨大戦艦は、一切戦闘へ介入せず、東京湾の防衛を維持していた。
爆煙の中。
最初に姿を現したのはグランだった。
「はぁぁぁぁッ!!」
拳を振り抜く。
オールドマンは紙一重で躱す。
その直後。
背後からマランが踏み込む。
「逃がさない。」
鋭い蹴り。
しかしオールドマンは身体を半回転させ、蹴りを受け流した。
「流石ですね。」
「二人同時でも、この程度ですか。」
「チッ……!」
グランが舌打ちする。
次の瞬間。
デウスが動いた。
「そこだ。」
視界から消えるほどの速度。
オールドマンの懐へ入り込み、一撃を放つ。
ドゴォォン!!
今度は避け切れない。
オールドマンの身体が数十メートル吹き飛び、海面を滑る。
「……!」
マランが目を見開く。
「速い……。」
グランでさえ口元を歪めた。
「やっぱり化け物だ。」
しかし。
海面へ着地したオールドマンは静かに眼鏡を直した。
口元から一筋の血が流れる。
「これほどの威力……。」
「さすが覇者の使徒。」
「ですが。」
「まだ足りません。」
その瞬間だった。
アメスが静かに前へ歩く。
紅い瞳。
柔らかな笑みは完全に消えていた。
「あなたは。」
「もう裁かれています。」
The Last Judgementer――最終審判。
半径十メートル。
オールドマンは再び能力範囲へ入る。
「敗北。」
アメスが静かに宣告した。
ズン……
世界が命令を受け入れる。
オールドマンの身体が重く沈み込む。
膝がわずかに折れた。
「ぐっ……!」
初めて苦悶の表情が浮かぶ。
「今だ!」
グランが叫ぶ。
デウスが一瞬で距離を詰める。
マランも左右から挟み込む。
三方向同時攻撃。
ドォォォォォン!!!
オールドマンへ直撃。
海面が大きく陥没する。
巨大な水柱が夜空を覆った。
その頃。
GENESIS内部
レイと一仁の戦いも最終局面へ入っていた。
「まだだァ!」
一仁が能力を解放する。
periculum――崩壊。
施設全体が軋む。
レイは真正面から拳を振る。
ドゴォォォォン!!
互いに吹き飛ぶ。
しかしレイはすぐ立ち上がる。
(ソウヤ。)
『終わらせよう。』
二人の意識が完全に重なる。
レイは深く息を吸った。
東京湾
爆煙が晴れる。
オールドマンはなお立っていた。
身体中から血を流しながらも、笑っている。
「……素晴らしい。」
「これほどとは。」
グランが眉をひそめる。
「まだ立つか。」
マランも構えを解かない。
デウスだけは静かだった。
「違う。」
その一言に全員が視線を向ける。
「何?」
デウスは地下から立ち昇る白銀の光を見つめる。
「奴は時間を稼いでいただけだ。」
オールドマンが笑う。
「その通り。」
「私の役目は終わりました。」
「……!」
アメスが表情を変える。
その瞬間。
ドクン――。
地下深部の鼓動が、これまでで最も大きく響いた。
東京湾の海面が大きく波打つ。
ハルシオン。
イーゼル。
護衛艦隊。
すべてが激しく揺れる。
フランが光を見上げる。
「来る。」
ベルソルトが叫ぶ。
「全艦、衝撃に備えろ!!」
そして。
GENESIS地下深部
白銀の球体の殻が、大きな音を立てて崩れ始めた。
東京湾の戦いは、なお続く。
しかし、真の脅威は今まさに目を覚まそうとしていた。
第117話 完
