教室に入った瞬間、なんだか熱視線を感じる。
これ知ってるぞ。
「みっ……深月! おはよう!」
モブ女生徒ゆりがさっそくやってきた。
「あの、もしも今日の席替えで隣になれたら、記念にごはんでも一緒にどうかなあって」
「悪い。明翔がメシ作りにきてくれるって約束しててさ」
「そうなんだ……。深月、最近彼女つくらないね。高崎くんがいるから?」
腐女子の勘か?!
盛大にギクッとするも、必死に押し込み平静を装う。
「そ、そう。今友達と遊ぶのが楽しくてしょうがないから、彼女はいらねえかなって。ほら、俺が明翔と遊んでる間とかほったらかしにしちゃうじゃん」
「ほんと、高崎くん大好きだね」
「うん、俺、明翔大好きなの。親友だからね」
「高崎くんの好きは違うみたいだけどね」
中学から同じだったゆりは、まさか俺が男を好きになるなんて前提はないのだろう。
でも、今の俺の好きも違うんだわ。
だが、絶対に言わない。知られたが最後、隠れBL大好きさんがこちらを凝視してくると予想できる。
クラスの中では、俺たちはこれまでと変わらず親友である。
「深月! 聞こえたよ! 俺も大好き!」
「明翔?!」
パッと目の前に明翔と一条のよく似た顔が現れて驚かされる。
「明翔がいないの確認して言ったのに」
「優がおもしろいものが見れそうだからロッカーに隠れようって」
「隠れてたんかい」
「大好き宣言、いただきました!」
腐女子に付きまとわれるのは一条一人で十分すぎる!
そんな一条だが、転校してきてまだ間もない。
化学室にて、化学教師で担任の工藤先生が見渡した。
「一条が来てないな。高崎、教室まで見てきてやってくれ」
指名されたのは明翔だが、俺も後をついて教室に戻る。
「どうして深月まで来たの。やっぱり、初恋相手だから心配なの」
ぶっきらぼうな明翔の言い方に、あ、そうだった、と思い出した。
「忘れてたわ。明翔だけじゃ、サボりだと思われるんじゃないかと思って」
「あ……。ごめん、俺のこと心配してくれたのに嫌味な言い方した」
「いいよ。俺も、小学生の頃に一条を好きだった自分を消したい」
「いいの? 深月にとっては思い出の初恋でしょ」
「何もできなかったなりに思い出ではあるけど、明翔がそんなに気にするならいらない」
かわいい……。
明翔がうれしそうに笑う。
こっちこそうれしい。
明翔が俺の記憶ひとつで喜んでくれるなら。
教室に誰もいないのをいいことに、思わず明翔を抱きしめる。
めっちゃキスしたい――
精一杯目で訴える。
漫画みたいに、キュッと目をつぶって明翔が応えてくれた。
なのに、トタトタと靴音が響く。
これは、工藤先生とは違ってだいぶ偉い寄りの先生だ!
「明翔、ロッカーに隠れよう」
「うん!」
二つあるロッカーの片方には掃除道具が詰まっており、間には体育祭優勝旗の入ったバケツ。
空の方のロッカーを勢いよく開ける。
中に、本を手にした一条がいて心臓跳び出るかと思った。
大声が出そうで、明翔と互いに互いの口を押さえる。
足音が遠ざかっても、心拍数は上昇中。
「この本が読みたくて教室に残ってたんだ。明翔と呂久村の声が聞こえたから、おもしろいものが見れるかと思って隠れてた」
「隠れるな!」
「特大イチャイチャ、いただきました!」
待って。
一条に話聞かれてた?!
「やっぱり呂久村は素晴らしい媒体だ。先生が通って当たり前の教室でもお構いなしにハグする煩悩の塊。これこそがライブ!」
「やかましいわ!」
マジか!
俺の初恋が一条だとバレた上でこの反応?!
最悪……。
これ知ってるぞ。
「みっ……深月! おはよう!」
モブ女生徒ゆりがさっそくやってきた。
「あの、もしも今日の席替えで隣になれたら、記念にごはんでも一緒にどうかなあって」
「悪い。明翔がメシ作りにきてくれるって約束しててさ」
「そうなんだ……。深月、最近彼女つくらないね。高崎くんがいるから?」
腐女子の勘か?!
盛大にギクッとするも、必死に押し込み平静を装う。
「そ、そう。今友達と遊ぶのが楽しくてしょうがないから、彼女はいらねえかなって。ほら、俺が明翔と遊んでる間とかほったらかしにしちゃうじゃん」
「ほんと、高崎くん大好きだね」
「うん、俺、明翔大好きなの。親友だからね」
「高崎くんの好きは違うみたいだけどね」
中学から同じだったゆりは、まさか俺が男を好きになるなんて前提はないのだろう。
でも、今の俺の好きも違うんだわ。
だが、絶対に言わない。知られたが最後、隠れBL大好きさんがこちらを凝視してくると予想できる。
クラスの中では、俺たちはこれまでと変わらず親友である。
「深月! 聞こえたよ! 俺も大好き!」
「明翔?!」
パッと目の前に明翔と一条のよく似た顔が現れて驚かされる。
「明翔がいないの確認して言ったのに」
「優がおもしろいものが見れそうだからロッカーに隠れようって」
「隠れてたんかい」
「大好き宣言、いただきました!」
腐女子に付きまとわれるのは一条一人で十分すぎる!
そんな一条だが、転校してきてまだ間もない。
化学室にて、化学教師で担任の工藤先生が見渡した。
「一条が来てないな。高崎、教室まで見てきてやってくれ」
指名されたのは明翔だが、俺も後をついて教室に戻る。
「どうして深月まで来たの。やっぱり、初恋相手だから心配なの」
ぶっきらぼうな明翔の言い方に、あ、そうだった、と思い出した。
「忘れてたわ。明翔だけじゃ、サボりだと思われるんじゃないかと思って」
「あ……。ごめん、俺のこと心配してくれたのに嫌味な言い方した」
「いいよ。俺も、小学生の頃に一条を好きだった自分を消したい」
「いいの? 深月にとっては思い出の初恋でしょ」
「何もできなかったなりに思い出ではあるけど、明翔がそんなに気にするならいらない」
かわいい……。
明翔がうれしそうに笑う。
こっちこそうれしい。
明翔が俺の記憶ひとつで喜んでくれるなら。
教室に誰もいないのをいいことに、思わず明翔を抱きしめる。
めっちゃキスしたい――
精一杯目で訴える。
漫画みたいに、キュッと目をつぶって明翔が応えてくれた。
なのに、トタトタと靴音が響く。
これは、工藤先生とは違ってだいぶ偉い寄りの先生だ!
「明翔、ロッカーに隠れよう」
「うん!」
二つあるロッカーの片方には掃除道具が詰まっており、間には体育祭優勝旗の入ったバケツ。
空の方のロッカーを勢いよく開ける。
中に、本を手にした一条がいて心臓跳び出るかと思った。
大声が出そうで、明翔と互いに互いの口を押さえる。
足音が遠ざかっても、心拍数は上昇中。
「この本が読みたくて教室に残ってたんだ。明翔と呂久村の声が聞こえたから、おもしろいものが見れるかと思って隠れてた」
「隠れるな!」
「特大イチャイチャ、いただきました!」
待って。
一条に話聞かれてた?!
「やっぱり呂久村は素晴らしい媒体だ。先生が通って当たり前の教室でもお構いなしにハグする煩悩の塊。これこそがライブ!」
「やかましいわ!」
マジか!
俺の初恋が一条だとバレた上でこの反応?!
最悪……。

