仁愛は壁時計を見ながら考えて、ふと直巳たちと食べたカレーを思い出す。
「あの、山田さん。お給料少し前借り、みたいなことってできませんか?」
尋ねると、レジの中身を整理していた山田が「え?」と顔を上げた。
「できるけど……なんかあった?」
「いや……うち、お小遣いとかなくて、でもちょっと今日、ここでお弁当買って帰りたいなぁって……」
仁愛の説明に、山田が険しい顔になる。
「仁愛ちゃん。前からちょっと、気になってたんだけどさ……」山田はそこまで言って言い淀み、「もしかして、家でご飯、ちゃんと貰えてないの?」恐る恐るといった様子で尋ねた。
仁愛は思いもよらない問いにポカンと口を開く。
「……はい?」
「痩せてるし、よくお腹鳴らしてるでしょ」
「あっ、いや、それは……」
「仁愛ちゃんのご飯、用意して貰えないの?」
「そんなことないです。ちゃんと毎日食べてます」
「あたしじゃなんの力にもなれないかもしれないけど、話してくれない?」
「いや、本当に違くて、お腹鳴るのはちょっと、あたしの癖というか……面倒くさくてご飯後回しにしちゃうことが多くて……」
山田が納得のいかない様子で「本当に?」と尋ねる。仁愛は「本当です!」と答えるも、信じ難い様子で、
「じゃあ、今のお弁当の話は、どうして?」
「あー……今日、割と涼しくて天気がいいので、知り合いとピクニック的なこと、しようかなと……」
「本当に?」
「本当です! あたし、山田さんに嘘なんかつきません!」
仁愛が語気を強めて言うと、山田は「うーん」と顔に力を込め、それからパッと笑顔になった。
「わかった。信じるよ」
その様子に、仁愛はホッと肩の力を抜く。山田はレジの下から袋を一枚取り、売り場の方へ。
「どうせ午後はあんまりお客さん来ないから、好きなの持ってって」
「えっ、いや、お金払います」
「いいよいいよ、どうせ廃棄になっちゃうやつだから。仁愛ちゃん、前に油淋鶏美味しいって食べてたよね。これと……お友達は何が好きなの?」
「あの、山田さん。お給料少し前借り、みたいなことってできませんか?」
尋ねると、レジの中身を整理していた山田が「え?」と顔を上げた。
「できるけど……なんかあった?」
「いや……うち、お小遣いとかなくて、でもちょっと今日、ここでお弁当買って帰りたいなぁって……」
仁愛の説明に、山田が険しい顔になる。
「仁愛ちゃん。前からちょっと、気になってたんだけどさ……」山田はそこまで言って言い淀み、「もしかして、家でご飯、ちゃんと貰えてないの?」恐る恐るといった様子で尋ねた。
仁愛は思いもよらない問いにポカンと口を開く。
「……はい?」
「痩せてるし、よくお腹鳴らしてるでしょ」
「あっ、いや、それは……」
「仁愛ちゃんのご飯、用意して貰えないの?」
「そんなことないです。ちゃんと毎日食べてます」
「あたしじゃなんの力にもなれないかもしれないけど、話してくれない?」
「いや、本当に違くて、お腹鳴るのはちょっと、あたしの癖というか……面倒くさくてご飯後回しにしちゃうことが多くて……」
山田が納得のいかない様子で「本当に?」と尋ねる。仁愛は「本当です!」と答えるも、信じ難い様子で、
「じゃあ、今のお弁当の話は、どうして?」
「あー……今日、割と涼しくて天気がいいので、知り合いとピクニック的なこと、しようかなと……」
「本当に?」
「本当です! あたし、山田さんに嘘なんかつきません!」
仁愛が語気を強めて言うと、山田は「うーん」と顔に力を込め、それからパッと笑顔になった。
「わかった。信じるよ」
その様子に、仁愛はホッと肩の力を抜く。山田はレジの下から袋を一枚取り、売り場の方へ。
「どうせ午後はあんまりお客さん来ないから、好きなの持ってって」
「えっ、いや、お金払います」
「いいよいいよ、どうせ廃棄になっちゃうやつだから。仁愛ちゃん、前に油淋鶏美味しいって食べてたよね。これと……お友達は何が好きなの?」
