巻き込まれる僕ら

十二月二十四日、目黒軍団と呼ばれる俺たち四人は遊びに行った。
翌朝、俺だけ熱が出た。インフルエンザだった。

二十五日は瑠偉の家でクリスマス会の予定だったけど、延期になった。
延期になったクリスマス会が、なぜか俺の家で行われている。

「俺んち、年末は親戚やらなんやらひっきりなしに来るからさー」
「目黒家は意外と名家だからね」
「その跡取りがこれじゃ、親戚の皆様心配なんじゃないのー」

俺のインフルが原因で延期になったんだから、別にいいんだけど……。

「みんな、食べ物足りてる? ピザ焼こうか?」
「母さん! 足りてるから、しょっちゅう覗かないで!」
「石井くんも食べてる?」
「はい。ありがとうございます」

俺の部屋に、なぜか石井くんもいる。

なんで?
どういう経緯で?
俺が寝てる間に、瑠偉たちと仲良くなったのかな?

「ラスイチのチョコパイ、もらっていいー?」
「待って、チョコパイは石井くんが好きだから」
「いいよ、葉山くん。僕もうおなかいっぱい」

石井くんは明らかに遠慮している。母さんも食べてるか心配するほどに。
仲良くなったわけではなさそうだ。

また瑠偉たちが強引に巻き込んだんだろう。

「メインイベーント! プレゼント交換!」

瑠偉がさっさとテーブルの上を片付ける。
俺も慌てて、用意したプレゼントをテーブルに置いた。

隣の石井くんのプレゼントは、青いテカテカしたサンタ柄の紙に包まれている。

石井くんが選んだプレゼント、欲しいな……。

「ルーレット、スタート!」

瑠偉がスマホをタップして、画面を俺たちに見せる。
止まったのは、青色だった。

――一発目で取られたか……。

「お! 俺はコタのだ」
「俺たち交換じゃん」
「喜んでいいよ、コタ。俺けっこういいの買ったから」
「え。ごめん、俺あんま高いもんじゃない」
「プレゼントは値段じゃねえよ。気持ちよ、気持ち」

そう言って笑う奏多のプレゼントは、充電して何度でも使えるカイロだった。

「ありがとう、奏多! 犬の散歩の時に使う!」
「バッテリー満タンにしてるから、すぐに使えるよ」
「ありがとう!」

試しに電源ボタンを長押しすると、瞬く間に温かさを感じる。
おお! 素晴らしい!

「あれ。これ、犬用?」
「犬用?!」

思わず瑠偉が持つ大きな箱を覗き込む。

「すげえ! 家の中で運動できる知育玩具だ!」
「ごめん、石井くん。いいものなんだろうけど、俺、猫飼ってんだわ」
「俺らの中で犬飼ってるのは、コタだけだよな」
「てか、俺自分のが回ってきちゃったんだけど!」
「じゃあさ、これはコタで、俺がこっちもらうわ」

俺の目の前に、石井くんのプレゼントが置かれた。

「ありがとう! これなら、大きくて賢いハントも楽しめそう! ハントにピッタリだ!」

石井くん、俺以外は猫派だって知らなかったんだな。
おかげで石井くんのプレゼントが回ってきて、うれしい!