おれとぼくの恋愛事情

 琉生から唇を重ねてきたとき、自分でもそうしたかったのだと気づいた。
 目を閉じ、琉生に応えていた。
 これ以上、自分の気持ちを抑え込んではいられない。
 琉生……。
 思わず琉生に腕を回していた。
 すると琉生も腕を回し、僕を抱き寄せた。
「ん……」
 琉生が唇を離し「く、苦しい……」と小さく言った。
「大丈夫?」
「息できない。陽向は大丈夫か?」
「うん」
「……陽向、慣れてるんだな……」
「いや、初めてだよ」

 琉生はときどき、僕のことを勝手に誤解する。
 沙羅が彼女だと思ったり、僕が誰かと付き合った過去があると思ったり。
 琉生の中の僕は一体どんな人間なんだろう。
 気になるなら、聞いてくれればいいのに。
 沙羅の時もずっと彼女だと思い込んでいたようだし。
 僕は琉生の肩に頭を乗せる。
 どうしたら信じてくれるのか。
「琉生だけだよ。こんなことしたの」
 僕は声を震わせながら、小さく言った。
「ごめん……、陽向ってモテるから勝手に……」
「琉生……僕に聞きたいことがあったら、なんでも聞いていいよ。僕は琉生には嘘はつかない」
「……うん……陽向は俺に対してそういうのないのか?」
「ないと言ったら嘘になるけど、それでも、今の琉生が好きだから」
「ありがとう」

 琉生は僕にこんな提案をした。
「水曜の放課後、今日みたいに俺の家に来ないか」
「……うん」
 琉生は僕に抱きついて「よかった……」と安心した声を漏らした。
「じゃあ、水曜の放課後は俺との時間な」
「琉生……言い方がなんかエロい」
「だってそうだろ。水曜は俺だけのために陽向が時間を空けてくれる」
「フフフッ。そうだね」
 僕は目を細めた。