美術室のドアを静かに開けると、陽向がキャンバスに向かって絵を描いていた。
「邪魔してごめん」
「いいよ。本当は部活の日じゃないから」
「マユから原稿預かってきた。内容確認してって」
「ありがとう」
陽向の右の人差し指の先に赤い絵の具がついていた。
「何描いてるのか見ていい?」
「うん」
その絵は早朝のグラウンドで、そこに一人の人間が後ろ姿で小さく立っていた。
「朝は空気が澄んでいるから、きれいな風景が描けるんだ」
「これって、俺? だよな?」
「よくわかったね。そうだよ。僕よりも早く登校しているなんて驚いたから、絵にしておこうと思って」
「なんか嬉しい」
「よかった」
心が躍るって、こういうことなのか?
「ここで読む?」
そう言いかけて、俺は窓の外を見た。
美術室はまだ明るい。けれど、いつ誰が来るかわからない。
「……原稿、俺んちで一緒に読まないか?」
陽向は少し驚いた顔をしたあと、ゆっくり笑った。
「もちろん」
「邪魔してごめん」
「いいよ。本当は部活の日じゃないから」
「マユから原稿預かってきた。内容確認してって」
「ありがとう」
陽向の右の人差し指の先に赤い絵の具がついていた。
「何描いてるのか見ていい?」
「うん」
その絵は早朝のグラウンドで、そこに一人の人間が後ろ姿で小さく立っていた。
「朝は空気が澄んでいるから、きれいな風景が描けるんだ」
「これって、俺? だよな?」
「よくわかったね。そうだよ。僕よりも早く登校しているなんて驚いたから、絵にしておこうと思って」
「なんか嬉しい」
「よかった」
心が躍るって、こういうことなのか?
「ここで読む?」
そう言いかけて、俺は窓の外を見た。
美術室はまだ明るい。けれど、いつ誰が来るかわからない。
「……原稿、俺んちで一緒に読まないか?」
陽向は少し驚いた顔をしたあと、ゆっくり笑った。
「もちろん」
