走馬灯が止まらない!

翌日は、前日の騒動が幻だったかのように、穏やかな授業。マリーちゃんに筆算を教えて、レイティシア様とそのお付きの人達、加えてマリーちゃんと、階段でタカラジェンヌをやったくらいだ。

そして授業後、学院の前にグラナド家の馬車。
さすが、グラナド家は判断が早い。
鱗滝左近次も文句のつけようがないだろう。

それはそうと

「クリストフ様も邸宅に戻るんですか?」

いるんだよ、隣に。
なんで?お前、別にお茶会呼ばれてないよ?

「ルナは私の従者だぞ?従者が付き従わないのはおかしいだろ?」

うん、そうだね。
なぜかクリストフが私に付き従う感じになってるけど。気にしないことにする。

馬車に乗って数十分。
グラナド邸に到着。しっかりとお尻にスティグマが刻まれた。
なんなら歩いて帰ってもよかったのにね。

「ルナ!よくやった!!」

おおぅ!ハイテンションの領主さま。
踊りだしそうだ。それもそうか

『高等部か中等部に行きといわれて中等部に入りました。そこでシュライン家の御令嬢と知己を得て、さらにレイティシア第3王女の友達となりました。今度の休みにお茶会に誘われたので、支援乞う。あと、ダイア・セイクムってだれ?気に入られちゃったらしいッス』

こんな感じの手紙を送ったし。

領主様の目論見通りだね。
くやしいけど。こんなはずじゃなかったのに。

ん?使用人ズに取り囲まれて……
あ、クラリッサ様………、相変わらずの無表情……。

「ルナ、レイティシア殿下とのお茶会、私がきっちりと整えてあげるわね。娘の晴れ舞台……ドレスは赤がいいかしら……。いや、貴方なら淡い色の方が似合うわね……」

あぁ、自分の世界にお入りあそばした……
うん、娘、ちがうよ?

「あの、領主様。わたし、いろいろとやらかしてしまってるみたいで、申し訳ありません。なんかもう、どうしたらいいか、わからなくなっちゃって……」

領主様は上機嫌。
ニコニコしてるよ。初めて会った時の野心深さが消えちゃってる。

「いやいや、ルナ!入学早々、本来接点があろうはずがないレイティシア殿下と友達になるなんてな、素晴らしいぞ!そのまま、側近に召し抱えられるよう励みなさい」

えぇ……、やだよぅ……。

あ、いつの間にかマクスさんが横にきた。
走馬灯状態なのに、いつの間にかって感覚になるの、この人いったい何者?

「旦那様、ダイア・セイクム様との接点も極めて重要です。灰色の世界の住人、全ての魔法の担い手……。いよいよ、本格的に検討すべきかもしれません」

ん?検討?何を?

「そうだな!養子縁組か……、婚姻か……。一番いい形を考えるぞ!」

ちょっと待て。不穏なワードが飛び交っておる。
わたしのことじゃないよね!!