走馬灯が止まらない!

学院の大階段(普通の階段)を降りる私達。そんなタカラジェンヌ達の前に見知った姿があった。

「ルナ!どこのクラスにもいないなんて、どうしたんだよ!」

おお、クリストフ!忘れてたよ。
従者失格だね、私!テヘペロ!
よし、利用させて貰おう!

「レイティシア様、申し訳ありません。あの者はグラナド伯爵のご子息、クリストフ様でして、私はあの方の従者としてここにきていますので……」

穏便に離脱させてもらおうじゃないか!

「あら?そうなのね?……クリストフさんとおっしゃるのね、御機嫌よう。私はレイティシア・ローゼリアといいますの。先程、ルナさんのお友達にしていただきまして、これから食堂で交友を深めるところですの。少しの間、あなたの従者、お預かりしてもよろしいかしら?」

ぬぉぉぉい!!
ドストレートに行きやがったよ!!
そら、この国の名前を家名にしてる御方のお願いを断れるわけないよ、うちのクリスは!!

って、なに顔赤くしてんだよ!
身分差をわきまえろ!下郎が!!
いや、わたしが言うことじゃないんだけど!

「あ、はい、殿下!心ゆくまでお連れください……」

そういうしかないよねぇーー!

「ふふ!やった!ルナさん、何の問題も無くなりましたよ」

いや、有りまくりですよ!?
ていうか、『やった!』って可愛らしいな!
庶民的な王女って人気あるやつよね、こっちは迷惑だけど!

結局、ランチご一緒したさ……
上司との飲み会は楽しくないって、前世のお父さんが言ってたけど……
何の味もしなくなるんだねぇ……


午後は剣術の授業。
といっても、クラスの半分は居なくなる。
なんと、居なくなった半分は魔法の授業なんだそうな。

いいなー。使えなくても見てみたいよ。

そういう流れなので、ここにいる者は、魔法適性がないってことだ。侯爵家のクソガキ、御愁傷様。
絡んでくるんじゃねえよ。

「お前、レイティシア様に気に入られてるからっていい気になってんじゃねぇぞ」

おお〜、テンプレ通りのお言葉。
むしろ感動するよね。

「頭良くても魔法つかえなきゃな。そんななりじゃ、剣術なんてお遊戯程度だろ?はっはっ!」

いや〜、君、それ全部自分に跳ね返ってこないかな?それ、ブーメランっていうよ?

「特別に俺が稽古つけてやるよ、な?……何アホっぽい顔してんだよ、おら」

ああ、いかんいかん。
話長いから、せめて走馬灯を遅くしてたら、デッドリーフィッシュアイになってたよ。

「二度と俺に逆らえないように叩き込んでやる、ほら、木剣もってこい!」

んー、めんどくさいなぁ。
教官はよこないかなぁ。

「教官はしばらくこねぇからな。急用つくらせたからよ」

親の権力を無駄遣いするんじゃないよ、まったく……

「へへ、じゃあ始めようか。泣いても許さねぇからな!」

あー、もう!よかろう!
言いたいことはそれだけか?