走馬灯が止まらない!

「む?いや、ちょっとまて」

へ?なんで?他はもう始まってるよ?
ゴリラ教官は他の4組を見ている。誰か注目株がいるのかなぁ。
わたしの目にはそんなに変わらないように思えるんだけど。
あー捌かれてるねぇ〜

あ、向こうの端の教官さん、友達が好きだったアイドルに似てるなぁ。友達が来てたら大興奮だったろうに。あのアイドル、チケット取れないからねぇ……

ルカ、元気にしてるかなぁ……
もう2ヶ月くらい会えてない。

「それでは始めようか」

あ、ボーッとしてたら他の4組、終わってるわ。
あれ?教官が集まってくる。
どういうこと?

「ほら、いつでもいいぞ、打ってきなさい」

何か…、見られるのやだなぁ……
大勢に紛れていたいのに……
と言ってもしょうがない。

剣で目立ちたくないから、適当に済ませたいけど、適当具合がわかんないんだよねぇ、走馬灯状態だと。

とりあえず筋肉が痛まない程度でできますようにっと。

左足を引いて剣先を左側に引く。
持ち手を腰のあたりに当て、軽く前傾姿勢に……。

わかりやすい軌道だったら適当に捌いてくれるでしょ!ね!頼むよ、ゴリラ教官!

ゴリラ教官の呼吸を読む。
息を吐ききって、吸い……始める。
今!

右手一歩で真っすぐ横に振り抜く。

吸い始めてた息を止めるゴリラ教官。
同時に身体が反応に動く。

脚のつけ根辺りに向かっていく木剣。ゴリラ教官の剣が捌きに動く。
掬い上げられるように捌かれる。

……飛天御剣流の抜刀術は二段構え〜

身体を回転させ、もう一度同じ軌道を木剣が描く。

今度は捌かないで受けてよね!

ゴリラ教官の剣は掬い上げた姿勢のまま上にいる。ん?間に合う?表情は……真剣?本気?

あれ?これ……同じようなことが前にあったような……

ゴリラ教官の剣が振り下ろされる。
微妙に軌道があってないような……

木剣に当たらなくない?!

振り抜く木剣が、ゴリラ教官の木剣に弾かれる前に……

ルナの右腕にゴリラ教官の木剣が振り下ろされた!!

いっっっっっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!

食い込んだ木剣が、ルナの腕を軋ませていく……

ちょちょちょちょっっっとぉぉぉぉぉぉお!
止めて止めて止ぉぉぉめぇぇぇてぇぇぇぇ!

腕の筋肉が悲鳴を上げる
ギリギリと骨が変形していく

そして、

折れた