走馬灯が止まらない!

え?魔獣に街が襲われてる?
危険?近づけない?

「これは…しばらく近づかないほうがいいですねぇ」

ナイスミドル御者さんがボソリと言った。

「しかし、野宿するにしてもこの辺も安全とは言えないぞ。少し戻るか……」

マトモな剣士さんが続ける。

「えぇ、野宿しましょう!それが安全で、とても良い!」

変態剣士が同意する。
なんだか、ニチャアってしてない?怖いよ?

「ねぇ、変態さん。魔獣ってどんな種類がきてたの?」

変態剣士が真面目な顔で答える。
「ああ、狼の魔獣だな。群れで行動する習性を持つ魔獣だ。あの街は小さいが壁が全周を覆っている。長くても数日すれば諦めて移動するだろう」

ということは、長ければ数日もここに足止めされるのか。それは困る!

こんなとこで野宿とかいやだからね!
虫とか来そうだし、なにより……

この変態が気がついたら横で寝てそうで怖すぎる!

馬車の荷台から、数少ない私の荷物を漁る。
あったあった。

あれから強請りまくって、村の鍛冶職人や木工職人に作って貰った木刀。

硬く粘りがある木に、薄いが硬い鋼を張り付けて作った特製の木刀!ちょっと重くなったが、何とか振れるくらいの重さ。
銘は和泉守兼定!(自分で刻んだ)

「おいおい、嬢ちゃん、何しようってんだ?」

マトモな剣士がなんか慌ててる。

「ん?魔獣でしょ?片付けてくるよ」

三人が唖然とした顔をする。

「だって、魔獣ってやっつけると魔石残してきえるじゃん?鹿とかウサギとかは、グロイから無理だけど、狼の魔獣なら村でパパと何回か倒してるから平気。ゲームみたいだし」

変態剣士が混乱したように口を挟む。
「え?ぐろ?げーむ?なんだって?なんかカッコいいね、君。良き」

お前は黙ってろ

「剣士さん達は、ナイスミドル御者さんを守ってて、ちょっくら行ってくるから」

「ないみど?いや、何言ってるか全然わかんないよ、嬢ちゃん!」

あ、いかん、テンション上がってるのかな。日本語混じってたわ。

「だから、街の前の魔獣をやっつけて、宿で寝るの!んー、もう!焦れったい!行ってくるからね!ゆるゆる来てて〜」

私は街の方に向けて走っていった。
いつの間にか武闘系になったもんだなー。まぁいいよね、どうせ大学いったらバイトしてコスプレするつもりだったんだ。ちょっとリアル寄りになっただけのことよね!

街が見えてきた。
20匹くらいかな?ん……、多い…けど、行ってみよう!

よーし!集中ゥッ!!
ザ・ワールド!!