strawberry * strawberry



渡り廊下に避難させていた来賓用のイスを倉庫に片付け、教室に戻っていたら、池田くんの頭が見えた。
何で倉庫の裏になんか立ってるんだろうと不思議に思い、他の子が教室へ戻っていくのとは反対に、池田くんの方へ向かうと、そこにいるのは池田くんだけじゃないことがわかった。

池田くんの隣に一翔くんがいて、その前に女の子が立っている。

3人で話しているのかどうかは遠くてわからなかったけれど、やがて女の子が泣きながらこっちに向かって走って来たので、慌てて水道の陰に隠れた。

しばらくすると、一翔くんと池田くんが話ながらすぐ横を通った。

「今の子、最後泣いてた」
「見てない」
「相変わらずのぶった切り」
「だったら……何て言うのが正解?」
「オレに聞くな。一翔がこっぴどく女をフルのは中学で見て以来」
「粘られたから」
「まぁ……確かにあれはちょっと……『彼女がいても、2番目でいいです』とか意味わかんねぇ。いつもは『彼女がいる』って言ったら引くのになぁ」
「『いつも』って、そんなに聞いたことある?」
「みんなオレが横にいても告るから、嫌でも聞こえるんだよ。オレのこといないもんだと思ってる」
「でっかいのにな」
「マジそうだよ」


2人が見えなくなっても、しばらくそこから動けなかった。