体育祭の日の天気予報は午後から雨で、朝から今にも降りそうな雲行きだった。
でも、予定通りに開会式は行われ、プログラムは進行していく。
リレーは午後からだったので、全員参加の障害物競走に出る以外は自由だった。
この日は、一翔くんや池田くんとじゃなくて、教室でリレーメンバーの女子4人とお弁当を食べながらリレーの話をした。
一緒にリレーの練習をするうちに、意外に末田さんが熱い人だと言うことを知った。
「いい? こけても、バトン渡すとこまでがんばって!」
「わかった! すぐに立ち上がって走るね!」
「藤代さんなら絶対できるから!」
足は遅くないけれどもよくコケてしまう。
それで練習中はジャージを着ていたのに、わたしの膝小僧はいつも赤くなっていた。
「バトンさえ受け取れれば後はなんとか。ね、堀北さん?」
「うん。がんばるね」
リレーに選ばれた5人の中では瑛里華が一番足が早く、アンカーだった。
1人だけメンバーに選ばれた男子はいつも圧倒されていて、少し気の毒な感じもしたけれど、瑛里華と話す機会が増えたことで、他の男子からはうらやましがられていた。
「雨」
誰かがそう言った。
窓に目を向けると、最初はポツポツと降っていた雨が、次第に勢いを増して、大きな音をたてていく。
そのままどんどんと強さを増した雨のせいで、体育祭は中止となり、当然リレーもなくなった。
青葉では、高3は受験があるという理由で体育祭は不参加なので、高2が最後の体育祭となる。
2年生は1番最後にフォークダンスがあるはずだったのに、それも中止になってしまい、体育館で行われた閉会式の間、先輩たちが文句を言っているのが聞こえた。
中3の体育祭の時もフォークダンスはあったけれど、みんな恥ずかしがって嫌々やらされたという感じだったから、青葉は本当に男女の仲がいい。


