だから、俺たちは原因を追う

○警視庁
警視庁捜査第一課 捜査員たちが集まる会議室。ホワイトボードには事件現場の写真と地図が貼られている。林道警視監、神代警部、警部たちが資料を見て、大林巡査がホワイトボード前にいる。

【警視庁捜査第一課 捜査会議】
×朝霧市役所・伊藤銀次傷害事件「赤いハンコ事件」
×NOW美容店・神田流星傷害事件「左腕切断事件」
×青林高校・佐伯摩耶暴行事件「ラリアット事件」
×楓ヶ丘苑・佐竹洋二死亡事件「点滴死亡事件」

大林「警視庁捜査第一課の大林です。現在、四箇所で事件が発生しています。朝霧市役所、NOW美容店、青林高校、楓ヶ丘苑。発生場所はそれぞれ異なりますが、事件同士の関連性が高いと見ています。犯人の動向を追っていますが、防犯カメラには一切映っていません」
神代「捜査対象は、一ノ瀬朔、鬼頭絵育、風見大吾、相馬綾世の四名。一ノ瀬は市役所職員、鬼頭は美容師、風見は高校教師、相馬は介護士です。現在、全員が失踪しています」
林道「各所を徹底的に洗え。四人を必ず見つけろ」
大林と神代は、林道の指示を受け、会議室を後にした。

○廃工場
赤い大きいソファ、テレビ、大きめの水槽に金魚が四匹入っている。
おばちゃんはテレビの前に立ち、ルインはソファに座っている。
テレビ画面には、一ノ瀬、鬼頭、風見、相馬に関する事件のニュースが映し出されている。

ルイン「どうだ。味わったか?」
おばちゃん「はい、もう血管がぶち切れそうで気持ちよかったです。えぐくて」
ルイン「怖くなかったのか」
おばちゃん「まさか、あいつらがしたかったことですよ?ずっとこうしたかったんだ」
ルイン「そうか」
おばちゃん「みんな我慢しすぎだよ〜〜、これはダメ、あれはしちゃダメって」
ルイン「まあ、人間は自分で自分を縛ることが好きだからな」
おばちゃん「本当、まぞですよねえ」
ルイン「俺たちは人間である必要なんてない。感情のまま従え」
おばちゃん「感情のまま……」
ルイン「壊したいなら壊せばいい」
おばちゃん「知ってます、死ぬほど犯して、泣かして、好かれた相手壊してもいいんでしょ?」
ルイン「ふはっ、お前が好きになってもらえるか?」
おばちゃん「だって皆がして欲しいこと実行してるよね!!」
ルインは立ち上がり、近くの水槽へ歩いていく。
ルイン「ああ、フェラルには決まりがない。何をしたいか。それだけだ」

ルインは水槽に手を入れると金魚を一匹掴んで、床にべちゃっと投げた。
ルイン「だから、誰かに許可を取る必要もない」
そこで、事件について報じるアナウンサー。
おばちゃん「でも案外簡単でしたよ、信じさせるの」
ルイン「……そうか」
おばちゃん「私の実行に相当惚れてましたよ。ちょっと優しくしたら、すぐこっちを信じちゃって」
ルイン「人間は、信じたいものを信じるからな。それがどんなに残酷でも好きになるんだよ」
おばちゃん「そうだね、じゃあ簡単なことだよね?」
ルイン「…っふ、次はお前が何をするかだ」

おばちゃんはにやりと笑う。
おばちゃん「それと、したいことがあって」
ルイン「我慢しなくていい、フェラルに制限はない」
おばちゃん「おっけい、外しちゃうね」
おばちゃんはその場で飛び跳ねている。ルインはその様子を静かに見つめ、床に落ちていた金魚がペチペチと
跳ねていた。