だから、俺たちは原因を追う

○青林高校・教室
風見は数学公式を黒板に書いて、説明する。
生徒は誰も授業を聞いていない。ただ教えるだけ、黒板に書き授業を話すだけ。
窓を見ると、校庭でおばちゃんが走り回っていた。
教えるのは好きだ。だけど教育現場は、やっぱり教師はきつい。体力も精神も何もかも奪われる。俺が教育されているようでもあって、沸々と湧き上がってくる。
もういっそ、俺の隣にゴリラでも置いて、生徒の生意気をラリアットで、殺して欲しい。
すると、クラスで目立っている佐伯摩耶が質問してきた。

佐伯「あのーどういうこと?わかりにくいんだけど」
宇佐川「まじ風見がイケメンだったら、数学点数上がるのになあ」
佐伯「それな、春樹先生が良かった」
春樹浩介先生は、茶髪で顔も整っていて、イケメン代表先生だった。
宇佐川「あ、でも風見はその寝癖、ピクミンみたいだからね」
大爆笑しながら、佐伯と宇佐川は椅子から転げていた。
風見「ああ、いいですね、奔放で、無駄ですね」
佐伯「はあ?」
宇佐川「知らんけど、なんでもいいじゃん」
風見「そうか、無駄なんだけどね」

すると、ゴリラのような怪物がガラッと教室に入ってきた。
風見「ああ、紹介しますね、今日からの転校生のゴリラです、皆仲良くして下さいね」
ゴリラは佐伯麻那に向かってどすどす歩き、ラリアットをかました。
風見「ああ無駄でしたね、次、赤点取った生徒はラリアットです」
窓外のおばちゃんはくるくる回転していた。
ギーんコーンカーンとチャイムの音がいつもより、大きかった。

○介護施設
介護の仕事は多岐に渡る。相馬は夜勤勤務が多いので、各部屋の見回りにいく。
相馬が担当しているのは、3階フロアだ。
1階〜4階まであり、どの階も要介護が必要な方が施設にいる。0時12分を回った頃だ。
見回りしていると、ナースコールがなった。ナースコールを連打する、佐竹洋二(64)。
佐竹は、風呂の時間ではないがお風呂場にいた。

相馬「佐竹さん、就寝時間です、もうパジャマに着替えてるでしょ」
佐竹「ああ、お風呂、お風呂」
相馬は佐竹を誘導して、部屋に戻る。
佐竹がベットに着くと布団をかぶって寝ようとするが、佐竹は布団から麻雀をだした。
相馬「佐竹さん、もう0時回ってますから、朝の時間にしましょう」
佐竹「うるせ絵、ここにずっといるんだ」
佐竹は1人で麻雀を始めた。
相馬は、その場から去って自然に眠くなるのを待った。

○看護師室
当直看護師は、遠藤隼人と相馬だけだった。
遠藤「また、佐竹は麻雀ですか」
相馬「もう、止めても寝ないし、寝るまで放置するわ」
遠藤「うん、それがいい、てか相馬、何時にねる?」
相馬「どーしよ、遠藤からでいいよ、俺やることあるし」
遠藤「そか、まじ眠いから2時間頂くわ」
相馬「うん、行ってら」

遠藤は仮眠ルームで、少しの間休憩に入った。相馬は事務仕事をし、様子を見に各部屋を回っていた。エレベーターを見ると1階から4階を移動していた。
相馬がエレベーターの近くまでいくと、エレベーターが降りてくる。
え、今の時間動いてないんだけど。4階で止まる、2階で止まる、1階で止まる。
3階で止まったが扉は開かない。
俺は事務仕事を片しながらふとエレベーターの方を見るとおばちゃんが立っていて、何かを持っている。白い色の液体で、点滴の袋だ。

佐竹「ヒャッハーーー」
佐竹は大声をだして、まだ麻雀をしていた。
そうか、そういうことか。おばちゃんから、点滴を奪うと、佐竹の部屋にいく。
相馬「佐竹さーん、そろそろ点滴変えますね」
佐竹「は?この時間に」
相馬「そうなんです、もう寝ますよ」
点滴の中は、即効性のある薬だった。
数秒後、佐竹の息ができなくて苦しんでいた。
相馬「午前2時14分、佐竹誠さん、ご臨終です」
相馬はお辞儀していたが、その唇はぷるぷる震えていた。