-----------------------------------------------------------------------------------------------
昨日があるから今日がある。
今日があるから明日がある。
昨日の夜は今日への約束。
今日の夜は明日への約束。
どんな事があっても明日は来る。
明日が来てほしくない日も。
明日が楽しみな日も。
平等に明日は来る。
今日この夜。
月が太陽に約束をしている限り。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
僕は一人、ベンチに仰向けになって夜空を眺めていた。
瞬く星々。
辺りを照らす月明り。
「夜風が気持ちいい………」
僕はそんな事を呟いた。
朝と夜で顔を変えるのは、庭に生えている木々や草花だけではない。
煌々と庭を照らす太陽も、今は眠りについている。
そうするとやがて月が起きだし、夜空の星を照らし。
天然のプラネタリウムが出来上がる。
僕はこんな夜空も大好きだ。
ガチャリ。
小屋の方で扉が開く音がした。
僕はムクリと起き上がると、外に出てきた彼に手を振る。
「おーい」
「あれ、まだ居たんだ」
彼の腕には一冊の本が抱えられていた。
「まぁね。
って、君はまたこの夜空で本を読むのかい?
目が悪くなるからやめた方がいいって、いつも言ってるのに」
彼の最近のマイブーム。
それは月が明るい夜になると、ベンチに座りながら読書をする事だ。
いくら月明りが明るいとはいえ、照明が無い所で本を読むのは流石に目に良くないと思うのだが、どうしても辞められないらしい。
「二宮金次郎じゃないんだから………」
「ふふっ、もしかして君、本当に僕が本を読んでいると思っているの?」
彼は楽しそうにクスクスと笑う。
「え、どういう意味?」
「本当に本を読んでる訳ないじゃないか。
ただ僕は、ベンチに座ってボーッと庭を眺めているだけだよ」
「えぇ!?じゃあその本はいったい何の為に持っているって言うのさ」
「『かっこつけ』だよ」
「誰も見てないのに?」
「うん、誰も見てないからこそ、星空の下でロマンチックに本を読む僕を演じて。
一人でそれに酔いしれてるのさ」
そう言って彼は本をひらひらと降る。
「そ、そうなん…だ」
彼は時々、僕にAIだという事を忘れさせるような行動をとる時があり、本当に驚かされる。
「そういう君は、こんな所で何してたの?」
「うーん、特に何もしてないよ。
ただ横になって夜空を眺めてただけ」
「ロマンチックに?」
「…別にそんなつもりじゃあ無いけど………」
彼は僕をからかうように笑いながら隣に座った。
「今日はいつにもまして夜空が綺麗だね」
「昼間も空気が澄んでいたからね。
…ふぁ~あ………」
「眠いのかい?」
「うーん…少し」
「だったら寝ればいいじゃないか」
「いや、なんかこうも夜空が綺麗だとさ、寝て明日になっちゃうのがもったいない気がするんだよね。
なかなかこんな日は無いから………」
僕はそう言うと再び欠伸をする。
「なんとなく君の言いたい事もわかるけれど、明日は明日でまた夜空はきっと別の顔を見せてくれるんだし。
今日はもう寝たら?」
「うん、でももう少しだけ。
せっかくこれだけ綺麗な夜空を君と一緒に眺める事が出来てるんだ。
だからもう少しだけ、今の時間を噛み締めたい」
「…わかったよ」
もう少し、そう思っても時間は流れていく。
ちょっと前より、少しだけ月の位置が変わっている気がする。
気のせいではない。
確実に時間が流れている証拠だ。
僕は心の中で、この夜が明けてしまう事のもったいなさを感じつつ、明日はどんな景色で、彼とどんな事をしようか、そう考えているうちに自然と眠りに落ちて行ってしまった。
昨日があるから今日がある。
今日があるから明日がある。
昨日の夜は今日への約束。
今日の夜は明日への約束。
どんな事があっても明日は来る。
明日が来てほしくない日も。
明日が楽しみな日も。
平等に明日は来る。
今日この夜。
月が太陽に約束をしている限り。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
僕は一人、ベンチに仰向けになって夜空を眺めていた。
瞬く星々。
辺りを照らす月明り。
「夜風が気持ちいい………」
僕はそんな事を呟いた。
朝と夜で顔を変えるのは、庭に生えている木々や草花だけではない。
煌々と庭を照らす太陽も、今は眠りについている。
そうするとやがて月が起きだし、夜空の星を照らし。
天然のプラネタリウムが出来上がる。
僕はこんな夜空も大好きだ。
ガチャリ。
小屋の方で扉が開く音がした。
僕はムクリと起き上がると、外に出てきた彼に手を振る。
「おーい」
「あれ、まだ居たんだ」
彼の腕には一冊の本が抱えられていた。
「まぁね。
って、君はまたこの夜空で本を読むのかい?
目が悪くなるからやめた方がいいって、いつも言ってるのに」
彼の最近のマイブーム。
それは月が明るい夜になると、ベンチに座りながら読書をする事だ。
いくら月明りが明るいとはいえ、照明が無い所で本を読むのは流石に目に良くないと思うのだが、どうしても辞められないらしい。
「二宮金次郎じゃないんだから………」
「ふふっ、もしかして君、本当に僕が本を読んでいると思っているの?」
彼は楽しそうにクスクスと笑う。
「え、どういう意味?」
「本当に本を読んでる訳ないじゃないか。
ただ僕は、ベンチに座ってボーッと庭を眺めているだけだよ」
「えぇ!?じゃあその本はいったい何の為に持っているって言うのさ」
「『かっこつけ』だよ」
「誰も見てないのに?」
「うん、誰も見てないからこそ、星空の下でロマンチックに本を読む僕を演じて。
一人でそれに酔いしれてるのさ」
そう言って彼は本をひらひらと降る。
「そ、そうなん…だ」
彼は時々、僕にAIだという事を忘れさせるような行動をとる時があり、本当に驚かされる。
「そういう君は、こんな所で何してたの?」
「うーん、特に何もしてないよ。
ただ横になって夜空を眺めてただけ」
「ロマンチックに?」
「…別にそんなつもりじゃあ無いけど………」
彼は僕をからかうように笑いながら隣に座った。
「今日はいつにもまして夜空が綺麗だね」
「昼間も空気が澄んでいたからね。
…ふぁ~あ………」
「眠いのかい?」
「うーん…少し」
「だったら寝ればいいじゃないか」
「いや、なんかこうも夜空が綺麗だとさ、寝て明日になっちゃうのがもったいない気がするんだよね。
なかなかこんな日は無いから………」
僕はそう言うと再び欠伸をする。
「なんとなく君の言いたい事もわかるけれど、明日は明日でまた夜空はきっと別の顔を見せてくれるんだし。
今日はもう寝たら?」
「うん、でももう少しだけ。
せっかくこれだけ綺麗な夜空を君と一緒に眺める事が出来てるんだ。
だからもう少しだけ、今の時間を噛み締めたい」
「…わかったよ」
もう少し、そう思っても時間は流れていく。
ちょっと前より、少しだけ月の位置が変わっている気がする。
気のせいではない。
確実に時間が流れている証拠だ。
僕は心の中で、この夜が明けてしまう事のもったいなさを感じつつ、明日はどんな景色で、彼とどんな事をしようか、そう考えているうちに自然と眠りに落ちて行ってしまった。
