TRAP×GIRL【完結】




テレビの画面の中では、華やかなアナウンサーが満面の笑みでニュースを読み上げていた。


『――朝霧青紫氏の新作小説「愛。―手を繋いでいく―」の爆発的ヒットに伴い、公開された実写映画も興行収入の記録を塗り替えています。今、日本中で最も愛されている作品と言っても過言ではありません……』

その輝かしいニュースの光は、暗い病室の片隅までは届かなかった。


安斎病院の一室。

ベッドの上で、英舞は身体を拘束されたまま、虚ろな目でただじっと窓の外を見つめていた。
自由を奪われた彼女の視線の先を、一羽のきらびやかな蝶が、軽やかに羽をばたつかせながら飛んでいく。まるで、すべての呪縛から解き放たれて自由を手に入れたかのように、どこまでも、どこまでも。


それを眺める英舞の動かない右手に、そっと冷たい手が重ねられた。


「母さん……これからは、ずっと一緒だよ」


引き裂かれたはずの、愛しい息子の声。
やつれた顔で英舞をじっと見つめる朔也の瞳には、かつての快活さはなく、ただ底知れない執着の闇だけが揺れていた。