「わ、若宮、お前1軍のクセにコイツの味方するわけ?」
「こんなオタク庇うとか知られたら、お前の立場も危なくなるんじゃねーの?」
「そんなのどうでもいいし。それで壊れる仲ならこっちから願い下げ……っていうかさ」
陽太は至極面倒くさそうにいじめっ子達を見た。
「俺の心配より自分達の心配したら?今どきアニメ好きってだけで馬鹿にしてるような奴らの方が数倍ダセぇよ」
「なっ……!」
「っ、もう行こうぜ!」
言い返す言葉も出なかったのか、悔しそうに歯を食いしばる三人が逃げるようにその場を立ち去る。
陽太はふんと鼻を鳴らしたあと、呆気にとられていた僕へと視線を向けた。
「……ケガしてねぇか?実月」
「あ……う、ん……」
名前を呼ばれ、胸の奥が僅かにうずく。
こうして話すのことが久しぶりすぎて上手く言葉が出てこない。
緊張からだろうか、抱き締めたままのクリアファイルに力が入る。
それを見た陽太が話を切り出した。
「そのキャラが出るアニメ、俺も見てる。ヒロインのアマネちゃん、先週は大活躍の回だったよな」
「えっ……!陽太も見てるの……!?」
「うん、作画も綺麗だし見てて楽しい」
まさか陽太がアニメを見てるなんて。
いや、確かに子供の頃は一緒に見てたけど……それでも信じられない。
だって今の陽太は……。


