ジュリエットは叛旗を翻す。

こちらでもあちらでもない場所。永遠と刹那の間。昼と夜の交わる辻。
物語の生まれる街がある。
湖をいただく谷間、急峻な雪山の岩棚、深淵なる森、太古の海、機械仕掛けの摩天楼。
物書きたちは居を構え、依頼人の訪れを待つ。
依頼人とは物語の主。
書き手が種をとばし、主がそれを懐に抱き、書き手の許へと訪れる。
「これは私の物語だ。芽吹いた種より出でし言の葉を書き綴れ」と扉を叩く。
その縁は血よりは薄いがインクより濃い。
物語る口、頁を操る手、読み辿る目が果てるその時まで、
主と書き手は共に歩み続ける。