街灯ひとつない暗闇の中に静まり返る旧港湾地区。
潮の匂いと油の匂いが立ち込める廃倉庫の中に、凪は連れ込まれていた。
ドサッと冷たいコンクリートの床に体が叩きつけられる。
被せられていた袋を乱暴に剥ぎ取られ、眩しさに目を細めた。懐中電灯の強い光が、凪の顔を容赦なく照らし出す。
「へへっ、上等じゃねえか。見てみろよ、この服。デートの途中だったんじゃねえの?」
見上げると、そこにはニヤニヤと歪んだ笑みを浮かべた男が3人立っていた。
「ん……っ」
粘着テープで口を塞がれた凪は、暴れることも叫ぶこともしなかった。ここで下手に抵抗すれば殴られるか殺される。そう直感的に理解していたからだ。
全身の力を抜き、ただ磁石のように床に固まって耐える。
「逃げねえのか。物分かりが良くて助かるぜ」
肥満体型の男が下品な笑いを浮かべながら歩み寄り、凪の膝を掴んだ。
そして、今日のために着てきた大切な水色のロングワンピースの裾を、乱暴に捲り上げた。
冷たい空気が裸出された脚を撫でる。
それ以上に冷たく、汚らわしい男たちの手が、凪の肌に触れてくる。
「ひっ……ぐ……」
肥満体型の男、タトゥーの男、ナイフを持った男。彼らは身勝手な欲望のままに、凪の身体を弄んでいく。
喉が潰れそうな圧迫感。手首を縛るロープが皮膚に食い込み、骨が軋むほどの痛みが走る。
(痛い……痛い……嫌だ……)
苦しくて、怖くて、叫び出したかった。
『助けて』と、『伊吹』と叫びたかった。
けれど、下手に暴れればナイフで刺されて死ぬ。凪の頭の冷めた部分が「耐えろ」と警告していた。だから凪は目を閉じて耐えるしかなかった。
男たちの体液が出される感触が伝わるたび、全身の細胞が拒絶反応を起こして強烈な吐き気が込み上げる。けれど口はテープで塞がれ、吐くことすら許されない。
(伊吹……ごめんね……ごめん……)
何に対する謝罪かも分からなかった。ただ、今日のために二人で楽しみにしていた特別な夜なのに、自分がこんな姿になってしまっている事実が、悲しくてたまらなかった。
涙が次から次へと溢れ落ち、コンクリートの埃を濡らしていく。
潮の匂いと油の匂いが立ち込める廃倉庫の中に、凪は連れ込まれていた。
ドサッと冷たいコンクリートの床に体が叩きつけられる。
被せられていた袋を乱暴に剥ぎ取られ、眩しさに目を細めた。懐中電灯の強い光が、凪の顔を容赦なく照らし出す。
「へへっ、上等じゃねえか。見てみろよ、この服。デートの途中だったんじゃねえの?」
見上げると、そこにはニヤニヤと歪んだ笑みを浮かべた男が3人立っていた。
「ん……っ」
粘着テープで口を塞がれた凪は、暴れることも叫ぶこともしなかった。ここで下手に抵抗すれば殴られるか殺される。そう直感的に理解していたからだ。
全身の力を抜き、ただ磁石のように床に固まって耐える。
「逃げねえのか。物分かりが良くて助かるぜ」
肥満体型の男が下品な笑いを浮かべながら歩み寄り、凪の膝を掴んだ。
そして、今日のために着てきた大切な水色のロングワンピースの裾を、乱暴に捲り上げた。
冷たい空気が裸出された脚を撫でる。
それ以上に冷たく、汚らわしい男たちの手が、凪の肌に触れてくる。
「ひっ……ぐ……」
肥満体型の男、タトゥーの男、ナイフを持った男。彼らは身勝手な欲望のままに、凪の身体を弄んでいく。
喉が潰れそうな圧迫感。手首を縛るロープが皮膚に食い込み、骨が軋むほどの痛みが走る。
(痛い……痛い……嫌だ……)
苦しくて、怖くて、叫び出したかった。
『助けて』と、『伊吹』と叫びたかった。
けれど、下手に暴れればナイフで刺されて死ぬ。凪の頭の冷めた部分が「耐えろ」と警告していた。だから凪は目を閉じて耐えるしかなかった。
男たちの体液が出される感触が伝わるたび、全身の細胞が拒絶反応を起こして強烈な吐き気が込み上げる。けれど口はテープで塞がれ、吐くことすら許されない。
(伊吹……ごめんね……ごめん……)
何に対する謝罪かも分からなかった。ただ、今日のために二人で楽しみにしていた特別な夜なのに、自分がこんな姿になってしまっている事実が、悲しくてたまらなかった。
涙が次から次へと溢れ落ち、コンクリートの埃を濡らしていく。


