そして少女の天国は

 彼女は今、ソファで安らかに眠っている。その睫が、僕の目には天使の羽に映った。
「…可愛い。こんな可愛い子に、あいつら…」
 そう言いかけたところで、少女はゆっくりと瞼をあげた。
「あ、レイ(・・)、起きた?」
 少女レイチェルは、夜空のもとで見たよりも幾分か淡いように見える髪を撫で、
「れい…?ああ、私の、なま、え…」
と、確認するように呟いた。
「そう。レイがあのまま崩れ落ちてしまったから、ここは僕の家」
「そう…」
 次の瞬間、レイは信じられないことを言い放った。


「私を殺して、あの丘の辺りに転がしておいてくれないかしら」