___さらりと、夜風は草を撫でて通って行った。
見渡す限り誰もいないような小高い丘の上には、___12,3歳といったところか____少女が立ち、夜空を見上げていた。
僕は、まだ年端もいかないその少女にしばらく見惚れていた。
「こんばんは」
おもむろに声をかけてみる。
「こん…ばんは?」
すると少女は、肩をびくっと震わしてから、拙く、とても小さな声で答える。しかし僕には、まるで小さなベルが鳴ったかのように聞こえた。長く下ろした髪は、アンティークの時計のようなブロンド、瞳は、夜空さながらの深いブルー。しかし、生気は感じられなかった。返事が聞けたのがとにかく嬉しくて、僕はにこりと微笑んだ。そして次の言葉を紡ごうとしたが、続けたのは少女のほうだった。
「あなた、だれ」
内心びっくりしたが、数秒遅れて続ける。
「…僕は景色が見たくて通りすがっただけだけれど___それより君の名前を聞いてもいい?」
少女は若干訝しげな表情で答える。
「……名前?…ない、わ」
「そう…僕がつけてもいいかな」
僕は、あらためて心からの笑みを浮かべた。少女は、眉と長い睫を少しだけ上げ、僅かにうなずく。肯定と取っていいだろう。
「じゃあね、君の名前は_____」
見渡す限り誰もいないような小高い丘の上には、___12,3歳といったところか____少女が立ち、夜空を見上げていた。
僕は、まだ年端もいかないその少女にしばらく見惚れていた。
「こんばんは」
おもむろに声をかけてみる。
「こん…ばんは?」
すると少女は、肩をびくっと震わしてから、拙く、とても小さな声で答える。しかし僕には、まるで小さなベルが鳴ったかのように聞こえた。長く下ろした髪は、アンティークの時計のようなブロンド、瞳は、夜空さながらの深いブルー。しかし、生気は感じられなかった。返事が聞けたのがとにかく嬉しくて、僕はにこりと微笑んだ。そして次の言葉を紡ごうとしたが、続けたのは少女のほうだった。
「あなた、だれ」
内心びっくりしたが、数秒遅れて続ける。
「…僕は景色が見たくて通りすがっただけだけれど___それより君の名前を聞いてもいい?」
少女は若干訝しげな表情で答える。
「……名前?…ない、わ」
「そう…僕がつけてもいいかな」
僕は、あらためて心からの笑みを浮かべた。少女は、眉と長い睫を少しだけ上げ、僅かにうなずく。肯定と取っていいだろう。
「じゃあね、君の名前は_____」



