「わかった」
糸は、取り乱す結月を安心させるように、ふわりと優しい笑みを浮かべた。
「結月の頼みだもんね。いいよ、私でよければ試合に出る!」
「え――っ!? ほんまに!? ええの!?」
結月の顔が、一瞬にしてぱあっとひまわりのように明るくなる。
「やったぁあああ! ありがとうなぁ、糸ちゃん!! ほんまに、ほんまに助かるわぁあ!!」
涙目を一転させて大喜びする結月は、勢いよく糸の身体に抱きついてきた。
小柄な結月の全力のハグを受け止めながら、糸は少し気恥ずかしそうに苦笑しつつ、ずっと隠していた秘密をそっと打ち明けた。
「ふふ、そんなに喜んでくれたら嬉しいな。……実はね、私も、ちょっとだけ剣道を習ってたことがあるんだ。だから、結月の力になれるなら頑張るよ」
「ええええええええっ!? そ、そーなん!?!?」
結月は糸の肩を掴んでガバッと身体を離すと、今日一番の絶叫を教室内に響かせた。あまりの衝撃に、周囲の男子生徒たちもびくりと肩を揺らしてこちらを振り返る。
「もう、糸ちゃん! 剣道経験者やったん!? 早く言ってぇなぁ、それぇ! 最めっちゃ高やん!! 外部生で、オシャレで都会っ子で、しかも剣道まで出来るとか、どんだけハイスペックなん!? もう絶対に離さへーーん!!」
「もう、結月。大げさだよっ」
興奮冷めやらぬ様子で、再びぎゅぎゅっと糸の腰にしがみついてくる結月。
大げさに騒ぎ立てる親友の、その曇りのない眩しい笑顔を見つめているうちに、糸の胸の奥にあった冷たい泥は、いつの間にか綺麗に消え去っていた。
(私……この街に来て、本当に、本当に良い友達と出会えたかもしれない)
東京の、あの軋んだ関係性の中にいた頃には感じられなかった、まっすぐで温かい肯定感。
結月のぬくもりを感じながら、糸の胸は、新天地での生活への純粋なときめきでいっぱいに満たされていった。
糸は、取り乱す結月を安心させるように、ふわりと優しい笑みを浮かべた。
「結月の頼みだもんね。いいよ、私でよければ試合に出る!」
「え――っ!? ほんまに!? ええの!?」
結月の顔が、一瞬にしてぱあっとひまわりのように明るくなる。
「やったぁあああ! ありがとうなぁ、糸ちゃん!! ほんまに、ほんまに助かるわぁあ!!」
涙目を一転させて大喜びする結月は、勢いよく糸の身体に抱きついてきた。
小柄な結月の全力のハグを受け止めながら、糸は少し気恥ずかしそうに苦笑しつつ、ずっと隠していた秘密をそっと打ち明けた。
「ふふ、そんなに喜んでくれたら嬉しいな。……実はね、私も、ちょっとだけ剣道を習ってたことがあるんだ。だから、結月の力になれるなら頑張るよ」
「ええええええええっ!? そ、そーなん!?!?」
結月は糸の肩を掴んでガバッと身体を離すと、今日一番の絶叫を教室内に響かせた。あまりの衝撃に、周囲の男子生徒たちもびくりと肩を揺らしてこちらを振り返る。
「もう、糸ちゃん! 剣道経験者やったん!? 早く言ってぇなぁ、それぇ! 最めっちゃ高やん!! 外部生で、オシャレで都会っ子で、しかも剣道まで出来るとか、どんだけハイスペックなん!? もう絶対に離さへーーん!!」
「もう、結月。大げさだよっ」
興奮冷めやらぬ様子で、再びぎゅぎゅっと糸の腰にしがみついてくる結月。
大げさに騒ぎ立てる親友の、その曇りのない眩しい笑顔を見つめているうちに、糸の胸の奥にあった冷たい泥は、いつの間にか綺麗に消え去っていた。
(私……この街に来て、本当に、本当に良い友達と出会えたかもしれない)
東京の、あの軋んだ関係性の中にいた頃には感じられなかった、まっすぐで温かい肯定感。
結月のぬくもりを感じながら、糸の胸は、新天地での生活への純粋なときめきでいっぱいに満たされていった。



