そんな平和(?)な日常は、ある朝のネットニュースによって破られた。
『国宝級イケメン俳優・佐野駿、同性パートナーと熱愛か!? 都内マンションへ通う姿をキャッチ』
スマホの画面に映し出されていたのは、深くキャップを被った駿が、見覚えのある古いマンション――つまり私の自宅に入っていく写真だった。幸い、私の顔や部屋番号までは特定されていなかったが、ネットは大炎上。駿の事務所は大騒ぎになっているという。
その夜、駿はやってこなかった。当然だ。マンションの周りには報道陣が張っているだろう。
『千秋、大丈夫? 迷惑かけてごめん。俺がなんとかするから』
駿からのLINEに、私は「気にしてないから大丈夫」とだけ返した。
嘘だ。胸がズキズキと痛む。
私はただの幼なじみだ。でも、本当は――ずっと前から、駿のことが好きだった。
だけど、彼は日本中から愛されるスターだ。私のような日陰の人間が近くにいれば、彼の輝かしい未来を汚してしまう。
「……ここまでだな」
私は静かに、駿から預かっていた合鍵を机の上に置いた。これ以上、彼を引き止めてはいけない。私は彼の「ただの幼なじみ」として、身を引くべきなのだと、自分に言い聞かせた。
『国宝級イケメン俳優・佐野駿、同性パートナーと熱愛か!? 都内マンションへ通う姿をキャッチ』
スマホの画面に映し出されていたのは、深くキャップを被った駿が、見覚えのある古いマンション――つまり私の自宅に入っていく写真だった。幸い、私の顔や部屋番号までは特定されていなかったが、ネットは大炎上。駿の事務所は大騒ぎになっているという。
その夜、駿はやってこなかった。当然だ。マンションの周りには報道陣が張っているだろう。
『千秋、大丈夫? 迷惑かけてごめん。俺がなんとかするから』
駿からのLINEに、私は「気にしてないから大丈夫」とだけ返した。
嘘だ。胸がズキズキと痛む。
私はただの幼なじみだ。でも、本当は――ずっと前から、駿のことが好きだった。
だけど、彼は日本中から愛されるスターだ。私のような日陰の人間が近くにいれば、彼の輝かしい未来を汚してしまう。
「……ここまでだな」
私は静かに、駿から預かっていた合鍵を机の上に置いた。これ以上、彼を引き止めてはいけない。私は彼の「ただの幼なじみ」として、身を引くべきなのだと、自分に言い聞かせた。
