星降る夜の寓話

飯島さんと別れて、家に帰る途中、今度は大和さんから電話があった。

「電話できなくてごめん。心配してた。出張を早めに切り上げて帰ってきたのに、警察でこれまでのこともいろいろ聞かれてて、ずっと警察署にいたんだ。事件のことがマスコミにも漏れて、犯人が会社の人間だったから、その対応にも追われて。電話もできなかった」
「ようやくストーカーから解放されるね」
「環に会いたい」
「わたしも会って話がしたい。これで終わりだね?」
「そうじゃなくて……会った時話すよ」

小学生くらいの子がキャーっと騒ぎながらすぐ横を駆け抜けていった。

「もしかして外にいる?」
「さっきまで飯島さんと会ってて、フルーツがたくさんのったパンケーキを奢ってもらいました」
「僕に言ってくれたら、毎日でも食べさせてあげるよ」
「もう甘やかさなくていいのに。いつまでフリを続けるの?」
「何でもわがままを聞くのに」
「……じゃあ、お願いを聞いてもらっていい?」
「いいよ。何?」
「会った時に話すね」
「わかった。そうだ、仕事だけど、1週間ほど休暇を取って」
「どうして?」
「あんなことがあったんだから当然だよ。その分、飯島がカバーするって言ってた。責任感じてるんだ。きいてやって」
「……ありがとう」
「明日にでも会いたい」
「はい」
「まだ少し後始末が残っているから、5時に迎えに行く」
「わかりました」
「じゃあ、明日」
「はい、明日」


大和さんとの契約も終わる。

これで、全部、終わる。