「環、返事をして。何があった? 五條さんが捜査一課だと名乗って会社に連絡をしてきた。それで僕の連絡先を聞いて電話をかけてきた。環に電話をするように言われて……」
「もう……全部……終わったの」
「終わった? どういう……」
「大和さんを、つけましていた人が捕まった」
「どうやって?」
「家に……来たの。マスクをして、長い髪のカツラを被って……女の人の格好をしてたから……最初、女の人だと思った」
「男だったってこと?」
「知ってる人だった」
「知ってるって? 誰?」
「大和さんに、写真を見せてもらった……」
「写真?」
「大和さんが、ストーカーを捕まえるために雇った人だった」
少しの間沈黙が続いた。
「……環、怪我は? して……ない……よね?」
「……そっちは、雪が降ってますか? 寒いですか?」
「僕に、心配をさせてくれないか」
「暖かくして、かぜをひかないように……」
「そんなことはいい。僕のことはいいから」
「わたしなら、大丈夫」
「……僕のせいだ。だから、そんな資格がないのはわかってる。それでも――」
「大和さんのせいじゃない! 写真は、きてたの。その先も……全部、律が受け取ってた。わたしに内緒で……だから、知らなくて……だけどもう、終わったから。大和さんも安心して、仕事をして」
「教えて。環、何があった? 怪我は?」
「もう疲れてるから眠りたい。だから、ごめんなさい。もう切ります」
「環――」
電話を切って、電源も落として、そのままベッドに横になった。
いろんなことがありすぎて……
夢を見た。
祖母が出て来た。
祖母の隣には母がいた。
良かった。
父はどこにもいない。
律がわたしに何か言っている。
でも、聞き取れない。
目が覚めると、この部屋に来た時のままの状態でベッドの上にいた。
泣きながら寝てしまったみたいで、バスルームの鏡を見ると、濃い紫のあざと腫れた目に笑うしかなかった。
熱いシャワーを浴びたくて服をぬぐと、身体にできたあざは昨日見た時よりもっと黒っぽくなっていた。
犯人が捕まって、何もかも終わる。
律にお金を返したら、わたしが、律のそばにいられる理由もなくなる……
「もう……全部……終わったの」
「終わった? どういう……」
「大和さんを、つけましていた人が捕まった」
「どうやって?」
「家に……来たの。マスクをして、長い髪のカツラを被って……女の人の格好をしてたから……最初、女の人だと思った」
「男だったってこと?」
「知ってる人だった」
「知ってるって? 誰?」
「大和さんに、写真を見せてもらった……」
「写真?」
「大和さんが、ストーカーを捕まえるために雇った人だった」
少しの間沈黙が続いた。
「……環、怪我は? して……ない……よね?」
「……そっちは、雪が降ってますか? 寒いですか?」
「僕に、心配をさせてくれないか」
「暖かくして、かぜをひかないように……」
「そんなことはいい。僕のことはいいから」
「わたしなら、大丈夫」
「……僕のせいだ。だから、そんな資格がないのはわかってる。それでも――」
「大和さんのせいじゃない! 写真は、きてたの。その先も……全部、律が受け取ってた。わたしに内緒で……だから、知らなくて……だけどもう、終わったから。大和さんも安心して、仕事をして」
「教えて。環、何があった? 怪我は?」
「もう疲れてるから眠りたい。だから、ごめんなさい。もう切ります」
「環――」
電話を切って、電源も落として、そのままベッドに横になった。
いろんなことがありすぎて……
夢を見た。
祖母が出て来た。
祖母の隣には母がいた。
良かった。
父はどこにもいない。
律がわたしに何か言っている。
でも、聞き取れない。
目が覚めると、この部屋に来た時のままの状態でベッドの上にいた。
泣きながら寝てしまったみたいで、バスルームの鏡を見ると、濃い紫のあざと腫れた目に笑うしかなかった。
熱いシャワーを浴びたくて服をぬぐと、身体にできたあざは昨日見た時よりもっと黒っぽくなっていた。
犯人が捕まって、何もかも終わる。
律にお金を返したら、わたしが、律のそばにいられる理由もなくなる……



