女性はすぐに起き上がると律に向かってカッターの刃を向けた。
カッターを持った手を律に向かって振り下ろす女性に、律が応戦する。
驚いたことに、律は女性に手こずっている。
女性は闇雲にカッターを振り下ろしているわけではなく、律の動きを見て攻撃しているように見える。
普段もっと屈強な犯人を相手にしているはずの律が防御に徹している。
2人の動きは早くて、律を助けることもできない。
この人、どうしてこんなに強いの?
ただのストーカーじゃないの?
女性が律の攻撃を避けた時、さっき横に倒れた椅子に足が引っかかった。
「くそっ!」
女性が蹴った椅子が動けないでいたわたしにぶつかった。
律がそれに一瞬気をとられた瞬間、女性の握りしめていたカッターの刃先が律の頬をかすめ、すうっと一直線に血の線が引かれた。
それを見て、咄嗟に女性の足にしがみついた。
さっきまで女性だと思っていたけれど、しがみついたことで、ずっと感じていた違和感の正体に気がついた。
女性がわたしに向けて拳を振り下ろそうとした時、叫んだ。
「律! この人、男!」
わたしが叫んだことで、男の動きが止まった。
その瞬間、律が男の頭めがけてケリを入れた。
男はよろけると、そのまま仰向けに倒れた。
律はすぐに男をうつぶせに倒すと馬乗りになり、男の両手を後ろで組み、その手に手錠をかけた。
「環、大丈夫か?」
律の声に安心して、乾いていた涙があふれ出した。
「もう、泣くな。全部終わったから」
「律の……頬に……」
わたしの言葉に、律は手の甲で自分の頬をぬぐうと、それが血だと初めて気が付いたらしく、言った。
「なんだ、血か」
そして、わたしを見て泣きそうな顔をして言った。
「助けるのが遅くなってごめん」
その言葉を聞いて、涙は止まらなくなった。
カッターを持った手を律に向かって振り下ろす女性に、律が応戦する。
驚いたことに、律は女性に手こずっている。
女性は闇雲にカッターを振り下ろしているわけではなく、律の動きを見て攻撃しているように見える。
普段もっと屈強な犯人を相手にしているはずの律が防御に徹している。
2人の動きは早くて、律を助けることもできない。
この人、どうしてこんなに強いの?
ただのストーカーじゃないの?
女性が律の攻撃を避けた時、さっき横に倒れた椅子に足が引っかかった。
「くそっ!」
女性が蹴った椅子が動けないでいたわたしにぶつかった。
律がそれに一瞬気をとられた瞬間、女性の握りしめていたカッターの刃先が律の頬をかすめ、すうっと一直線に血の線が引かれた。
それを見て、咄嗟に女性の足にしがみついた。
さっきまで女性だと思っていたけれど、しがみついたことで、ずっと感じていた違和感の正体に気がついた。
女性がわたしに向けて拳を振り下ろそうとした時、叫んだ。
「律! この人、男!」
わたしが叫んだことで、男の動きが止まった。
その瞬間、律が男の頭めがけてケリを入れた。
男はよろけると、そのまま仰向けに倒れた。
律はすぐに男をうつぶせに倒すと馬乗りになり、男の両手を後ろで組み、その手に手錠をかけた。
「環、大丈夫か?」
律の声に安心して、乾いていた涙があふれ出した。
「もう、泣くな。全部終わったから」
「律の……頬に……」
わたしの言葉に、律は手の甲で自分の頬をぬぐうと、それが血だと初めて気が付いたらしく、言った。
「なんだ、血か」
そして、わたしを見て泣きそうな顔をして言った。
「助けるのが遅くなってごめん」
その言葉を聞いて、涙は止まらなくなった。



