早起きして、昨日の晩から水出ししていた昆布と鰹を使った出汁をとると、お野菜のたくさん入ったお味噌汁を作った。
同じお出汁で厚焼き卵も焼く。
出汁をとった後の昆布と鰹でふりかけを作っていたところで、律が起きてきた。
「懐かしい。それ、うちの親もよく作ってた」
「お祖母ちゃんに教えてもらった。『何でも残りはふりかけにすればいい』っていつも言ってたから。『お野菜は食べられないところはない』っていうのもよく言われてた」
「いいばぁちゃんだったよな」
「律、そんなに話したことあった?」
「実は、環が学校行ってる時、ちょこちょこ会って話してた」
「知らなかった」
「ばぁちゃんと俺との密会だからな」
「何それ。早くご飯食べちゃって」
わたしのことを話してたんだろうな、って想像がつく。
でも、聞いても何を話してたかは、きっと教えてくれない。
こうしていられるのはいつまでなんだろう?
朝ご飯を食べる律の前に座っていられるのは、わたしじゃない。
わたしがいなくなったら、律は誰かと結婚して、子供もできて、家族とこうやって食卓を囲んで……
こんな想像をしてると、いつも西藤さんの顔が浮かんでしまう。
律の周りに女の人がいるのを他に見たことがないせいなんだけど。
彼女は律の上司の娘だと言っていた。
だから彼女と結婚したら「信用」ってやつが堅固になって、どんどん昇進なんかしたりして……
「環?」
「え? 何?」
「食べないの?」
「あ、食べるよ。食べる」
「早起きするからだよ。まぁ、今日から連休のやつは昼間寝れるからいいんだろうけど」
「ひどい言い方だね」
「俺も連休とって旅行に行こうかな」
「連休なんてとれるの?」
「働き方改革ってやつで、有給とれって言われてるから。どこか近場の、温泉にでも行くか?」
「わたしも?」
「そうだよ」
「いいね、温泉」
夢を見るくらいは許されるよね。
いつものように(本当にいつも)、律のネクタイをなおして、玄関で見送った。
同じお出汁で厚焼き卵も焼く。
出汁をとった後の昆布と鰹でふりかけを作っていたところで、律が起きてきた。
「懐かしい。それ、うちの親もよく作ってた」
「お祖母ちゃんに教えてもらった。『何でも残りはふりかけにすればいい』っていつも言ってたから。『お野菜は食べられないところはない』っていうのもよく言われてた」
「いいばぁちゃんだったよな」
「律、そんなに話したことあった?」
「実は、環が学校行ってる時、ちょこちょこ会って話してた」
「知らなかった」
「ばぁちゃんと俺との密会だからな」
「何それ。早くご飯食べちゃって」
わたしのことを話してたんだろうな、って想像がつく。
でも、聞いても何を話してたかは、きっと教えてくれない。
こうしていられるのはいつまでなんだろう?
朝ご飯を食べる律の前に座っていられるのは、わたしじゃない。
わたしがいなくなったら、律は誰かと結婚して、子供もできて、家族とこうやって食卓を囲んで……
こんな想像をしてると、いつも西藤さんの顔が浮かんでしまう。
律の周りに女の人がいるのを他に見たことがないせいなんだけど。
彼女は律の上司の娘だと言っていた。
だから彼女と結婚したら「信用」ってやつが堅固になって、どんどん昇進なんかしたりして……
「環?」
「え? 何?」
「食べないの?」
「あ、食べるよ。食べる」
「早起きするからだよ。まぁ、今日から連休のやつは昼間寝れるからいいんだろうけど」
「ひどい言い方だね」
「俺も連休とって旅行に行こうかな」
「連休なんてとれるの?」
「働き方改革ってやつで、有給とれって言われてるから。どこか近場の、温泉にでも行くか?」
「わたしも?」
「そうだよ」
「いいね、温泉」
夢を見るくらいは許されるよね。
いつものように(本当にいつも)、律のネクタイをなおして、玄関で見送った。



