星降る夜の寓話

「杠葉、こいつら嫌いなんだ?」

小笠原さんの方が言った。

「嫌いだね」

即答した大和さんに、山下さんは一瞬驚いたような顔を見せた後、彼女たちに向かって言った。

「じゃあ、バイバイってことで」
「え? 何? 山下さん?」
「ねぇ、どういうこと?」
「さっき君が言ったことだけど、だから何?ってこと」
「わたしが言ったことって? どういうこと? 意味わかんないんだけど?」
「そういうところもなぁ。もう連絡してこないで。こっちも連絡先削除するから」
「どうして?」
「何なの?」


小笠原さんと山下さんは、彼女たちの言うことは無視することに決めたらしく、何を言われても返事すらしなかった。

「杠葉、近いうちに顔貸せよ。お前が変わった理由でもゆっくり聞かせてもらおうか」
「忙しいんだ。断る」
「ったく、勝手だよな」
「彼女さん、杠葉に愛されてるね。大事にしてもらいな」
「バイバイ」

笑顔を向けられたので、頭をさげた。

そのまま男性たちは、あっさりと彼女たちを置いて行ってしまった。

わたしは彼女たちに睨みつけられていたけど、大和さんに「行こう」と言われれ、手をひっぱられた。


彼女たちが見えなくなっても、大和さんはわたしの手をしっかりとつないだまま歩き続けた。

何が起きたのかわからない。

「大和さん、どうして言わなくてもいいこと言ったの? 知ってる人だったんでしょ?」
「言わなくていいことって?」
「わたしは本当の彼女じゃないんだから、誤解されるようなことを言わなくてもいいのに」

わたしの言葉に大和さんは立ち止まると、わたしの方を向いた。

「だったら本物の彼女になればいい」