星降る夜の寓話

わたしを取り巻く世界は一変した。



事件は全国ニュースで取り上げられ、ワイドショーをにぎわせ、コメンテーターが勝手なことを言う。
ネットのコメント欄は大荒れで、すぐ非表示になった。


国選弁護人の人は、長年にわたる度重なる暴力と、事件当時、母が殴られて鼻を骨折していたことを訴え、正当防衛を主張してくれた。

でも、裁判で過剰防衛と認定され、懲役3年6か月の実刑判決が下った。



未成年だったわたしをひとりで家に残すわけにはいかないと、親戚が集まって話し合いの場が設けられたけれど、誰もがわたしを押し付け合った。

父方の親戚は「こっちは被害者なのに、どうして加害者の娘を預からないといけないんだ!」と、怒りを露わにした。

母方の親戚も、「こっちにまで白い目で見られてるのに、これ以上やっかいごとには関わりたくない」と言って拒絶した。
わたしのことをかわいがってくれていた母の妹になる叔母は、「子供が受験生だから、悪影響を受ける」という理由でわたしから目をそらした。

わたしは、目の前で争うのを黙って聞くことしかできなかった。

せめて18歳になっていれば、成人として扱われるから、誰かの庇護を受ける必要もなかったのに……

結局、母の母、わたしにとっては祖母が、同居していた叔母夫婦の家を出て、アパートを借り、わたしと暮らしてくれることになった。


高3の夏だった。



母は服役後、1ヶ月も経たずして病死した。

後になって、末期癌だったと知らされた。