俺が学校を辞めることを話しても、親はなんにも言わなかった。
たいして勉強もできねぇ俺が、このまま高校なんか行っててもしょうがないとでも、感じてたのかもな。
学校に提出した退学届は、待ってましたとばかりにソッコー受理されて、
俺と正夢の退学はあっさり決まった。
正夢は「これでいい」なんて言ってたけど、本当に、これでよかったのかよ?
おまえは、やっぱりまだ学校に行きたかったって、ホントは思ってるんじゃねぇの?
けど正夢は、もうこの話はしたがらなくて、俺たちは高校中退の話を口にすることもなく、
また普段通りの付き合いに戻っていった――。
ただ、一度だけ、正夢とバイト終わりにファミレスに寄った時に、
あいつはちょっとじょう舌になって、こんな話をした。
「おまえが入院してたとき、おまえの姉ちゃんもお見舞いに来たんだぜ。寝てたからって、顔だけ見て帰ってったけど。
……姉ちゃん、いい人じゃん。
おまえはいつも、頭イイばっかりで付き合いにくいとか言ってるけど、
いい姉ちゃんだって。
俺も、なんか『涼のことをよろしく』なんて、頼まれたし……。
あの親とは、大違いだよ……。
よろしくなんて頼まれたらさ、俺がちゃんと引き受けないとって思って。
それで、どんなことがあっても、おまえのことは守るからって、
俺、そう決めたんだよ……」
こいつが、『退学』だなんて言い出したのは、そのせいかって。
なんか、なに責任とか感じちゃってんだよ、とか思ったけど、
正夢には、
「なんで、おまえ、彼女みたいなこと、言ってんだよ……」
って返した。ちっと照れ隠し。
今さら、マジメな顔して「うれしいよ」とか、言えるわけねぇだろ。
したら、正夢の方は、
「ちゃんと彼女くらい、作れや。ホント。おまえがいつまでもそんなんだと、俺が、気ぃ休まらねぇだろ」
なんて、ぶつぶつ言ってた。
なんかなぁーいいヤツだよな……ホント、おまえって。
ガッコー辞めたら、ミナからメッセージが来るようなこともなくなった。
いわゆる、自然消滅ってやつ。
退学するようなオトコは、オンナどもから見れば、彼氏としては既に許容範囲外なんじゃん?
まわりの友達にも、「退学した彼」とかじゃ、自慢もできねぇし。
ガッコーの中でけっこうモテてて、他のオンナらのせん望浴びれる存在でもなきゃ、俺みたいのなんて、もう用もねぇってか。
あーあ、こんなんじゃ俺、マジでいつまでたっても、
本物の恋愛とかできねぇかもな……。
たいして勉強もできねぇ俺が、このまま高校なんか行っててもしょうがないとでも、感じてたのかもな。
学校に提出した退学届は、待ってましたとばかりにソッコー受理されて、
俺と正夢の退学はあっさり決まった。
正夢は「これでいい」なんて言ってたけど、本当に、これでよかったのかよ?
おまえは、やっぱりまだ学校に行きたかったって、ホントは思ってるんじゃねぇの?
けど正夢は、もうこの話はしたがらなくて、俺たちは高校中退の話を口にすることもなく、
また普段通りの付き合いに戻っていった――。
ただ、一度だけ、正夢とバイト終わりにファミレスに寄った時に、
あいつはちょっとじょう舌になって、こんな話をした。
「おまえが入院してたとき、おまえの姉ちゃんもお見舞いに来たんだぜ。寝てたからって、顔だけ見て帰ってったけど。
……姉ちゃん、いい人じゃん。
おまえはいつも、頭イイばっかりで付き合いにくいとか言ってるけど、
いい姉ちゃんだって。
俺も、なんか『涼のことをよろしく』なんて、頼まれたし……。
あの親とは、大違いだよ……。
よろしくなんて頼まれたらさ、俺がちゃんと引き受けないとって思って。
それで、どんなことがあっても、おまえのことは守るからって、
俺、そう決めたんだよ……」
こいつが、『退学』だなんて言い出したのは、そのせいかって。
なんか、なに責任とか感じちゃってんだよ、とか思ったけど、
正夢には、
「なんで、おまえ、彼女みたいなこと、言ってんだよ……」
って返した。ちっと照れ隠し。
今さら、マジメな顔して「うれしいよ」とか、言えるわけねぇだろ。
したら、正夢の方は、
「ちゃんと彼女くらい、作れや。ホント。おまえがいつまでもそんなんだと、俺が、気ぃ休まらねぇだろ」
なんて、ぶつぶつ言ってた。
なんかなぁーいいヤツだよな……ホント、おまえって。
ガッコー辞めたら、ミナからメッセージが来るようなこともなくなった。
いわゆる、自然消滅ってやつ。
退学するようなオトコは、オンナどもから見れば、彼氏としては既に許容範囲外なんじゃん?
まわりの友達にも、「退学した彼」とかじゃ、自慢もできねぇし。
ガッコーの中でけっこうモテてて、他のオンナらのせん望浴びれる存在でもなきゃ、俺みたいのなんて、もう用もねぇってか。
あーあ、こんなんじゃ俺、マジでいつまでたっても、
本物の恋愛とかできねぇかもな……。

