数週間ぐらいして、俺の傷は治って、退院することになった。
退院後は、復学するつもりだったが、学校側からの通達は、停学処分――。
バイク事故を起こしたからっていう理由で、学校の方は、俺みたいに問題ばっか起こすヤツなんて、とっととやっかい払いしたいのかって思ってたら、
ミナから、こんなメッセージが着た。
涼、ガッコーやめちゃうの?
先生が、そう言ってたんだけど。。(T_T)
本当なの?
ミナ
やめる、ね……。チッ、もう、教師たちの間ではそういう話になってるってことかよ。
俺の戻る場所はないってことか。
まぁ別に、ガッコーなんかどうでもいいけどな。
けど確か、正夢も停学になってたはず……。
正夢の方は、どう思ってるんだか……あいつと一度、話してみっかな。
バイトが引けた後、話があるからと呼び出すと、
「わかってるよ……」
とだけ、正夢は答えた。
「……高校のことだろ?」
バイト先の向かいにあるファミレスで、俺がしゃべるより先に、正夢がそう切り出した。
「ああ……うん、わかってんなら、話早いけど、ガッコーこれからどうする?」
「学校……どうするって……?」
正夢が、俺の疑問に疑問で返してくる。
「いや、ガッコー行きたいのかってこと……」
俺は、退学になるかもしれないなんて話、どう言えばいいのかわからなくて、よけいに要領を得ない言い方になる。
しょせん頭わりぃんだし、しょうがねぇじゃん。
だから察してくれよ……正夢。
「学校は……行きたいけど……でも涼は、行きたくないのか……?」
正夢は、俺のおかしな雰囲気に、なんとなく気づいてくれたらしかった。
「行きたくないっていうか……行ければ、行きたいんだけどな」
「行ければって……なんだよ? 俺たち、停学だけじゃないのか? もしかして……」
正夢、ごめんな。おまえが、高校に行きたいのはわかってたけど。
おまえは俺といつもつるんでたから、目ぇつけられてて……それで、俺といっしょにやめさせられようとしてるだなんて、
だけど、どう言えばいいんだよ?
やっとここまで察してもらって、でもこれ以上、なんて言ってわからせればいいのかわからなくて、俺は隠し玉を出した。
さっきのミナからのメッセージ――
いきなりスマホの画面を見せられて、「なんだよ?」とのぞき込んだ正夢が、
文面を見て、はぁー……と、ため息をつく。
「やめさせられっのか、俺ら……」
「……向こうは、来させるつもりないみたいだな」
正夢が黙りこくり、俺もなんて続けていいか思いつかなくて、二人して黙って、目の前のアイスコーヒーをぼんやりと眺めてた。
「……コーヒー、飲めよ?」
正夢がそんな風に促して、沈黙を破る。
「ああ、うんだな……」
アイスコーヒーを一口飲む。
飲んで、
「学校……おまえだけでも、掛け合ってみたらどうだよ?」
と、話した。
「掛け合ってって……無理だろ」
と、正夢が即答する。
「だいたいバイク事故起こしたのは、俺の方なんだし。当事者がやめさせられないわけないしな」
「けど、俺のせいで、おまえまで……」
言いかけた俺に、
「なんで、おまえのせいなんだよ……」
正夢が低く言って、上目ににらむ。
「……俺が、学校でワル目立ちしてるからだろ……」
「カンケーねぇだろ、そんなの……」
正夢が俺から目をそらして、ぼそりと言う。
「俺はやめても別にいいけど……正夢は、話せば、残れんじゃないのか……ガッコー」
「……おまえがやめるのに、どうして俺が残るんだよ……」
「……でも、やめたくないんだろ? おまえは……」
そう聞くと、正夢は再び黙り込んだ。
黙ったまま、アイスコーヒーのグラスをストローでクルクルと回してから、
「俺も、やめる……」
と、正夢が口にした。
「やめさせられるってわかってるのに、行きたくもないし……」
正夢は言い終わると、ごくりとコーヒーを飲んだ。
「いいのかよ……それで」
「いいって。どうせやめさせられるんなら、先に退学届、出そうぜ?」
「退学届、か……」
正夢はそう強気に口にしたけれど、なんか目には涙がにじんでるようにも見えた……。
退院後は、復学するつもりだったが、学校側からの通達は、停学処分――。
バイク事故を起こしたからっていう理由で、学校の方は、俺みたいに問題ばっか起こすヤツなんて、とっととやっかい払いしたいのかって思ってたら、
ミナから、こんなメッセージが着た。
涼、ガッコーやめちゃうの?
先生が、そう言ってたんだけど。。(T_T)
本当なの?
ミナ
やめる、ね……。チッ、もう、教師たちの間ではそういう話になってるってことかよ。
俺の戻る場所はないってことか。
まぁ別に、ガッコーなんかどうでもいいけどな。
けど確か、正夢も停学になってたはず……。
正夢の方は、どう思ってるんだか……あいつと一度、話してみっかな。
バイトが引けた後、話があるからと呼び出すと、
「わかってるよ……」
とだけ、正夢は答えた。
「……高校のことだろ?」
バイト先の向かいにあるファミレスで、俺がしゃべるより先に、正夢がそう切り出した。
「ああ……うん、わかってんなら、話早いけど、ガッコーこれからどうする?」
「学校……どうするって……?」
正夢が、俺の疑問に疑問で返してくる。
「いや、ガッコー行きたいのかってこと……」
俺は、退学になるかもしれないなんて話、どう言えばいいのかわからなくて、よけいに要領を得ない言い方になる。
しょせん頭わりぃんだし、しょうがねぇじゃん。
だから察してくれよ……正夢。
「学校は……行きたいけど……でも涼は、行きたくないのか……?」
正夢は、俺のおかしな雰囲気に、なんとなく気づいてくれたらしかった。
「行きたくないっていうか……行ければ、行きたいんだけどな」
「行ければって……なんだよ? 俺たち、停学だけじゃないのか? もしかして……」
正夢、ごめんな。おまえが、高校に行きたいのはわかってたけど。
おまえは俺といつもつるんでたから、目ぇつけられてて……それで、俺といっしょにやめさせられようとしてるだなんて、
だけど、どう言えばいいんだよ?
やっとここまで察してもらって、でもこれ以上、なんて言ってわからせればいいのかわからなくて、俺は隠し玉を出した。
さっきのミナからのメッセージ――
いきなりスマホの画面を見せられて、「なんだよ?」とのぞき込んだ正夢が、
文面を見て、はぁー……と、ため息をつく。
「やめさせられっのか、俺ら……」
「……向こうは、来させるつもりないみたいだな」
正夢が黙りこくり、俺もなんて続けていいか思いつかなくて、二人して黙って、目の前のアイスコーヒーをぼんやりと眺めてた。
「……コーヒー、飲めよ?」
正夢がそんな風に促して、沈黙を破る。
「ああ、うんだな……」
アイスコーヒーを一口飲む。
飲んで、
「学校……おまえだけでも、掛け合ってみたらどうだよ?」
と、話した。
「掛け合ってって……無理だろ」
と、正夢が即答する。
「だいたいバイク事故起こしたのは、俺の方なんだし。当事者がやめさせられないわけないしな」
「けど、俺のせいで、おまえまで……」
言いかけた俺に、
「なんで、おまえのせいなんだよ……」
正夢が低く言って、上目ににらむ。
「……俺が、学校でワル目立ちしてるからだろ……」
「カンケーねぇだろ、そんなの……」
正夢が俺から目をそらして、ぼそりと言う。
「俺はやめても別にいいけど……正夢は、話せば、残れんじゃないのか……ガッコー」
「……おまえがやめるのに、どうして俺が残るんだよ……」
「……でも、やめたくないんだろ? おまえは……」
そう聞くと、正夢は再び黙り込んだ。
黙ったまま、アイスコーヒーのグラスをストローでクルクルと回してから、
「俺も、やめる……」
と、正夢が口にした。
「やめさせられるってわかってるのに、行きたくもないし……」
正夢は言い終わると、ごくりとコーヒーを飲んだ。
「いいのかよ……それで」
「いいって。どうせやめさせられるんなら、先に退学届、出そうぜ?」
「退学届、か……」
正夢はそう強気に口にしたけれど、なんか目には涙がにじんでるようにも見えた……。

