17歳の、刹那。

ウチに帰ると、母親が、

「帰るの遅いでしょ! 涼!」

と、いつも通りに文句を言ってくる。

「もう、お姉さんはとっくに帰って、勉強してるっていうのにっ!」

って、これもいつも通り。

17の俺と三つ違いの姉貴は、昔から頭がイイ。

超難関とかいわれてる有名大学も一発合格して、

親の期待を浴びまくってる。

高校にもついていけないような俺とは、大違い。

だから母親も、父親も、

頭のデキる姉貴と比べることでしか、俺を見ない。



「涼、お姉さんまた100点取ったんですって。あなたも、もうちょっとがんばりなさいね」



「こんな成績取ってきて……涼も、少しはお姉さんを見習いなさい?」



「姉の方が男だったらよかったのに……長男として、情けないわ。いっそのこと、お姉さんにお婿さんを取って、家はお姉さんに継いでもらおうかしら」



……うるせぇよ。





家なんか、いらない。


親も、いらない。


姉も……家族も……何も、いらない。


俺は、ここから、早く脱け出したい。


ただ、それだけ。