姉貴に頼まれて、実家に来てみたが、父親も母親もえらい怒りようだった。
「結婚なんて、絶対にダメです!」
とか、
「学生のうちに結婚することなんて、ありえないだろ!」
とか、そろって言いまくってた。
あまりに2人の口撃がおさまらないんで、
「……いいかげんにしろよ」
と遮ったら、今度はその矛先が俺に向けられた。
「なんで、涼が出てくるのよ?」
「そうだ、涼は関係がないだろうが!」
俺に、うるさくつっかかってくる。
「……もしかして、あんたがお姉さんをそそのかしたんじゃ、ないでしょうね……」
そんなことを言い出した母親に、
父親が、「そうか! そういうことか!」と、したり顔で決めつける。
怒りがこみ上げ、思わず怒鳴りそうになったところで、
いきなり、姉の方が「違うっ!」と、大声をあげた。
「私が、涼に話しにきてって言ったの。お母さんたちが、なんにも話を聞いてくれないから! 涼に、そそのかされてなんかいない! 私は、私の意思で結婚がしたいの!」
声を荒げて叫ぶ姉に、父親も母親も呆然とした顔つきになった。
無理もないのかもしれない……いつも従順だった姉が、こんな風に親に逆らったことなんて、恐らく一度もなかったことだろうから。
「……お父さんとお母さんの元にいると、息苦しいのよ……。いつだってプレッシャーを感じさせられて、勉強ばかりさせられて、たいして遊ばせてももらえなくて……。私は、まわりの友達が、そして涼が、うらやましくて仕方がなかった……」
俺が、うらやましかった……そんな風に、あの姉貴が思ってたなんて、考えたこともなかった。
姉は、昔から頭が良くて、俺とは違う道を歩いていくんだろうとばかり思ってたから、
そんな姉が、俺を見下すようなことはあっても、うらやましいと感じてただなんて、
思いもしなかった──。
「……だから、もう好きなひとといっしょになって、ここから脱け出したいの……。そろそろ、解放してくれてもいいでしょ? お父さんにもお母さんにも、とっても感謝はしてるけれど……」
泣きながら訴える姉に、父親があきらめたように、
「……だったら、もう勝手にしろ……」
と、言い捨てた。
「いいの?」と戸惑うように尋ねる母親に、父親は「もういい!」とだけ、
怒鳴るように答えた――。
「結婚なんて、絶対にダメです!」
とか、
「学生のうちに結婚することなんて、ありえないだろ!」
とか、そろって言いまくってた。
あまりに2人の口撃がおさまらないんで、
「……いいかげんにしろよ」
と遮ったら、今度はその矛先が俺に向けられた。
「なんで、涼が出てくるのよ?」
「そうだ、涼は関係がないだろうが!」
俺に、うるさくつっかかってくる。
「……もしかして、あんたがお姉さんをそそのかしたんじゃ、ないでしょうね……」
そんなことを言い出した母親に、
父親が、「そうか! そういうことか!」と、したり顔で決めつける。
怒りがこみ上げ、思わず怒鳴りそうになったところで、
いきなり、姉の方が「違うっ!」と、大声をあげた。
「私が、涼に話しにきてって言ったの。お母さんたちが、なんにも話を聞いてくれないから! 涼に、そそのかされてなんかいない! 私は、私の意思で結婚がしたいの!」
声を荒げて叫ぶ姉に、父親も母親も呆然とした顔つきになった。
無理もないのかもしれない……いつも従順だった姉が、こんな風に親に逆らったことなんて、恐らく一度もなかったことだろうから。
「……お父さんとお母さんの元にいると、息苦しいのよ……。いつだってプレッシャーを感じさせられて、勉強ばかりさせられて、たいして遊ばせてももらえなくて……。私は、まわりの友達が、そして涼が、うらやましくて仕方がなかった……」
俺が、うらやましかった……そんな風に、あの姉貴が思ってたなんて、考えたこともなかった。
姉は、昔から頭が良くて、俺とは違う道を歩いていくんだろうとばかり思ってたから、
そんな姉が、俺を見下すようなことはあっても、うらやましいと感じてただなんて、
思いもしなかった──。
「……だから、もう好きなひとといっしょになって、ここから脱け出したいの……。そろそろ、解放してくれてもいいでしょ? お父さんにもお母さんにも、とっても感謝はしてるけれど……」
泣きながら訴える姉に、父親があきらめたように、
「……だったら、もう勝手にしろ……」
と、言い捨てた。
「いいの?」と戸惑うように尋ねる母親に、父親は「もういい!」とだけ、
怒鳴るように答えた――。

