「……ねぇ、そこで何してるの?」
誰かが、うずくまっている俺の顔を、下からのぞき込んできた。
「……誰、あんた?」
目だけ上げて、そいつの顔を見た――なんか、ケバそうなオンナ――
「あたし? あたしはアサミっていうの。ねぇ、あなたちょっとイイ感じだし、なんならウチ来る?」
「ああ……」
ぼんやりと肯定の返事をする。
こいつがどこの誰でも、ふらふらの俺はとにかく休ませてくれれば、どこでもよかった。
だけど、俺の意識があったのは、そこまで……。
……目が覚めたら、オンナが素っ裸で横に寝てた。
「あ……れ?」
思考がついていかなくて、呆然と目の前裸を見てたら、
「起きたの?」
と、オンナが目をあけた。
「ああ……ってか、ゆうべって……」
「したでしょ。何、覚えてないの?」
「した、のか?」
SEXをしたとか言われても、何の感情もわかなかった。
「やだ……もう。覚えてないなんて、わりとショックなんだけど……」
そう笑いながら、オンナが口づけを迫る。
よける気もおきず、キスを受け入れた。
「ねぇ、覚えてないなら……もう一回しよっか?」
そのまま俺の上に覆いかぶさろうとするオンナの体を、片手で押しのけた。
「したくねぇから……」
「何よ〜いいじゃない」
まだオンナはやりたそうに、潤んだ目で俺を見つめた。
「もう帰るから」
視線をそらし、吐き捨てるように言う。
「そうなの? じゃあ、連絡先交換しない? また、しよ?」
「いいけど……」
別に断るのもめんどくさかった。
番号を交換して、オンナと別れた。
「おまえさぁ、昨日の夜どこ行ってたんだよ? 連絡しても全然つながらねぇし」
聞いてくる正夢に、「別に……」と、生返事をする。
「またオンナかよ……?」
「どうでもいいじゃん、そんなん」
と、正夢の顔に、覚えたてのタバコの煙を、いきって吹きかけた。
「う……げほっ! おまえホントいい加減にしとかないと、痛い目合ってもしらねぇぞ!」
正夢が大げさに煙を手で払いのける。
「関係ねぇだろ、正夢には」
「関係ねぇとか、どうしてそういうこと……!」
「うるせぇんだよ! いちいち!」
勢いにまかせて殴りつけようと、正夢の襟首をつかんだところで、思いもかけなかった涙にたじろいだ。
「……なんで、泣いてんだよ……おまえ」
「えっ……」と、正夢があわてたようにこぶしで目をぬぐう。
「泣いてなんか……いねぇよ……」
あからさまな泣き顔をそむけて、正夢がうそぶく。
「ふん、そうかよ……」
殴る気も失せて、襟首から手を放す。
「……。……心配なんだよ。本気で、おまえのことが……」
首をさすりながら、ぼそりと正夢が言う。
わかんねぇ……。
なんでおまえは、そんなに俺なんかのことが、心配になるんだよ……。
俺のことなんて、どうでもいいだろ……。
おまえは、自分の心配だけしてればいいだろうが……。
本気で心配するとか……わかんねぇよ、俺……。
誰かが、うずくまっている俺の顔を、下からのぞき込んできた。
「……誰、あんた?」
目だけ上げて、そいつの顔を見た――なんか、ケバそうなオンナ――
「あたし? あたしはアサミっていうの。ねぇ、あなたちょっとイイ感じだし、なんならウチ来る?」
「ああ……」
ぼんやりと肯定の返事をする。
こいつがどこの誰でも、ふらふらの俺はとにかく休ませてくれれば、どこでもよかった。
だけど、俺の意識があったのは、そこまで……。
……目が覚めたら、オンナが素っ裸で横に寝てた。
「あ……れ?」
思考がついていかなくて、呆然と目の前裸を見てたら、
「起きたの?」
と、オンナが目をあけた。
「ああ……ってか、ゆうべって……」
「したでしょ。何、覚えてないの?」
「した、のか?」
SEXをしたとか言われても、何の感情もわかなかった。
「やだ……もう。覚えてないなんて、わりとショックなんだけど……」
そう笑いながら、オンナが口づけを迫る。
よける気もおきず、キスを受け入れた。
「ねぇ、覚えてないなら……もう一回しよっか?」
そのまま俺の上に覆いかぶさろうとするオンナの体を、片手で押しのけた。
「したくねぇから……」
「何よ〜いいじゃない」
まだオンナはやりたそうに、潤んだ目で俺を見つめた。
「もう帰るから」
視線をそらし、吐き捨てるように言う。
「そうなの? じゃあ、連絡先交換しない? また、しよ?」
「いいけど……」
別に断るのもめんどくさかった。
番号を交換して、オンナと別れた。
「おまえさぁ、昨日の夜どこ行ってたんだよ? 連絡しても全然つながらねぇし」
聞いてくる正夢に、「別に……」と、生返事をする。
「またオンナかよ……?」
「どうでもいいじゃん、そんなん」
と、正夢の顔に、覚えたてのタバコの煙を、いきって吹きかけた。
「う……げほっ! おまえホントいい加減にしとかないと、痛い目合ってもしらねぇぞ!」
正夢が大げさに煙を手で払いのける。
「関係ねぇだろ、正夢には」
「関係ねぇとか、どうしてそういうこと……!」
「うるせぇんだよ! いちいち!」
勢いにまかせて殴りつけようと、正夢の襟首をつかんだところで、思いもかけなかった涙にたじろいだ。
「……なんで、泣いてんだよ……おまえ」
「えっ……」と、正夢があわてたようにこぶしで目をぬぐう。
「泣いてなんか……いねぇよ……」
あからさまな泣き顔をそむけて、正夢がうそぶく。
「ふん、そうかよ……」
殴る気も失せて、襟首から手を放す。
「……。……心配なんだよ。本気で、おまえのことが……」
首をさすりながら、ぼそりと正夢が言う。
わかんねぇ……。
なんでおまえは、そんなに俺なんかのことが、心配になるんだよ……。
俺のことなんて、どうでもいいだろ……。
おまえは、自分の心配だけしてればいいだろうが……。
本気で心配するとか……わかんねぇよ、俺……。

