「あの、これ、私が作りました……受け取ってください!」
「ああ……、ありがと」
俺は、オンナから手渡されたプレゼントを、一応笑顔でもらった。
どうせ、中身は手作りのチョコとかだろ。
今日、2月14日は言わずと知れたバレンタイン――しかも、俺の17回目の誕生日。
いったい、いくつめの手作りプレゼントなんだか。
チョコなんて、甘くて全然好きじゃねぇのに……どうっすかな、
誰かにやるか?
「……あ、えっと、その……」
「あ? って、何? まだいたんだ?」
なんか考えごとしてたんで全然気づかなかったんだけど、
オンナはまだ俺の前につっ立っていた。
「……その、佐倉さんて、彼女とかいるんですか?」
佐倉は、俺の名字。佐倉 涼(さくら りょう)が、俺のフルネーム。
「彼女……?」
またかよ。また、その質問かよ。
彼女、いないし。こないだ、別れたばっかだし。
でも、そう答えたら、「じゃあ、私と……」とか、言うんだろ?
めんどくせぇし……チョコもらったら、それってもれなく必然的に聞かれることなわけ?
「いないけど、彼女」
言ったら、途端に目の前のオンナの表情が変わった。
「ホントですか?!」
俺がうなづくと、
「じゃ……じゃあ、付き合ってください!」
案の定そのオンナは言ってきた。
「いいけど……」
俺は、めんどくさげに応じた。
彼女いないのに付き合えないとかを、いちいち説明するのがめんどい。
めんどうだから、付き合う。
俺は、そんな感じで付き合っては別れてみたいなのを、
もう何回もくり返してる。
なんか、何やってんだろう俺?とかも思うけど、
向こうから言い寄ってくるんだし、
だから、仕方ないんじゃん?

