幼馴染に恋を拗らせていたら、いつの間にか取り返しのつかないぐらい周りを巻き込んでいたらしい!

 ◆◇◆

 あっという間に時が経ち、夏休みも終盤に近づいてきた。
 無事課題を終わらせ、今日は学校の友達とショッピング。

「ごめん、待った?」
「んーん、大丈夫」

 私が駆け寄ると、スマホから顔をあげた彼女は宮川(みやがわ)蒼葉(あおば)。ショートヘアに、緑混じりの黒い綺麗な瞳。かわいい、と言うよりかはかっこいい系で、私の一番の友人だ。

 蒼葉は目を瞬き、私をじっくり足から頭まで眺める。な、何?

 彼女の瞳のような飛び出た特徴もない地味な茶髪茶目の私なりに、お化粧とヘアアレンジを頑張ってきたんですけど、何かおかしかったでしょうか。
 首を傾げると、蒼葉はふっと口元を緩ませた。

「意外かも、るりの服オレンジ系統なんだ?」
「え? あっ、これ!?」

 自分の服を改めて見下ろす。今日は太陽のような明るいオレンジ色のワンピースを着てきた。
 いつも制服でしか会ってなかったからか、蒼葉には新鮮らしい。

「ま、あんた良くオレンジとターコイズブルーの小物持ってるもんね。じゃ、行こっか」
「う、うん」

 歩き出した蒼葉の隣に並ぶ。大丈夫──バレてない。
 ドキドキと胸が騒がしく鳴る。……私がオレンジとターコイズブルーの物を集めるのは、推しの色だから。

 オレンジがアヤくん、ターコイズブルーがフユくん。

 全員がそうなのかは知らないけど、オタクは推しと同じ色の物をつい集めちゃう習性があるらしくてですね。漏れなく私にもその習性が……。

 蒼葉は全然そんなつもりないと思うんだけど、どうしても推し関連の話題に触れられると心臓が騒がしくなる。

 ──流石に、色だけで推しを特定されたりはしないと思うんだけど。

 蒼葉にも私がオタクってことは言ってない。……言えない。

「? どした、るり」

「な……っ、何でもないよ?」

 蒼葉が友人として好いてくれているのは、“陽キャなるり”だから。
 慌ててにこっと笑顔を作り、「どのお店行くっ?」と声を高くした。