幼馴染に恋を拗らせていたら、いつの間にか取り返しのつかないぐらい周りを巻き込んでいたらしい!

 ◆◇◆

 ……前言撤回。やっぱり断れば良かった!

 男装カフェにて、女子が男装しているように見えるよう……意味が分からないよな? うん、俺も分からない。とりあえずそういうメイクをされてから(文化祭は特別にメイクの使用が許可されている)、俺は接客に回っていた。

 女子二人は「可愛くできたー!」って満足そうだったけど、本当かよって感じである。
 駆け回りながら接客をしていると、ドアが開いた。
 声は高く、あくまで感じ悪くない程度の小声で!

「いらっしゃいませ、お嬢様、ご主人様──あ」

 やばい。
 トイレにでも行ってきたのだろうか。少し並んでいるお客様をかき分けて、顔を出したのは冬輝の姿。

 ……気まずいって。

 しかも伝えられてなかったのか、俺の姿を見て固まった冬輝。まあそりゃ驚くよな、まずここ男装カフェだし。
 居た堪れなくなって、そーっと視線を逸らした。

「は、早く戻んないと怒られるよ、冬輝。それじゃっ」
「あ、綾斗──いや、うん。また」

 これってもしかしなくても話すチャンスだったのでは。
 でも忙しいし何か恥ずかしかったし……あーもう、お昼休憩こそ捕まえよう!
 そう心に決め、俺は接客業へと没頭した。