◆◇◆
翌日、午前十時。俺たちは、あやくんの家の防音室で色々と準備をしていた。
マイク良し、スピーカー良し、音源良し、水良し……と。確認して、俺は後ろを振り返る。
「じゃ、繋ぐよー!」
「ん」
「ありがとうございます!」
いーえ、と笑い、通話を繋いだ。ちなみに繋いでるのは趣味で描く時に使っている俺のタブレットで、音源を流すのはふゆのパソコンだ。
通話の相手は、フユアヤの今回のコラボ相手──そしてプロ歌い手、圭。
「聞こえる、圭?」
『聞こえてるで。おはよ!』
「おはよう」
ふゆあやの歌の先生に、きっと彼以上の適任はいないだろう。
ちなみに、何故圭じゃなく俺に頼ったのか。気になってあやくんに問うと、「堂々と了承したくせに実は歌下手とかかっこ悪いじゃないですか」……らしいけど、俺はそんなの知ったこっちゃないので即連絡を取らせてもらった。
圭は快く引き受けてくれて、今に至る。
「わざわざ朝からごめんな〜、圭!」
「引き受けてくれてありがとう」
『そんな、俺とのコラボのためにきばってくれてるんやろ? こちらこそ、おおきに』
……最初は妬いたりしてたけど、やっぱり身内と自分の大切な人が仲良くしてると嬉しいな。
それに、圭とあやくんは雰囲気が似ているので、何だか子犬の戯れみたいだ。微笑ましいなと眺めていると、ふゆが視線を送ってきた。目が合い、そのあと、ふゆの視線はスライドしてパソコンに映る。
あぁ、早く音源を流せと言うことか。
はいはい、と呟いて、ふゆのパソコンを触った。
最初に歌うのはあやくん。前もって二人から聞いて、歌える曲リスト作ってきたんだよね。それから著作権に引っかからない音源を探し出してとなると、結構少なくなっちゃったけど。
「じゃ、早速流すねー?」
「お願いします……!」
「……ありがとう」
『楽しみやわー! とんでもない音痴やったら爆笑してあげるから安心して』
圭の安心していいのか分からない微妙な言葉に笑ってから、あやくんは緊張した面持ちでマイクを握った。
スピーカーから音源が流れる。記念すべき一曲目に選ばれたのは、あやくんらしい元気な青春ソングだった。途中にサブボーカル、ふゆとの掛け合いがあり、一応「フユアヤ」の一ファンとしては結構楽しみだったりする。
俺と圭の少しの期待感を乗せて、あやくんは息を吐いて、吸って、吐いて。
歌い出した。
翌日、午前十時。俺たちは、あやくんの家の防音室で色々と準備をしていた。
マイク良し、スピーカー良し、音源良し、水良し……と。確認して、俺は後ろを振り返る。
「じゃ、繋ぐよー!」
「ん」
「ありがとうございます!」
いーえ、と笑い、通話を繋いだ。ちなみに繋いでるのは趣味で描く時に使っている俺のタブレットで、音源を流すのはふゆのパソコンだ。
通話の相手は、フユアヤの今回のコラボ相手──そしてプロ歌い手、圭。
「聞こえる、圭?」
『聞こえてるで。おはよ!』
「おはよう」
ふゆあやの歌の先生に、きっと彼以上の適任はいないだろう。
ちなみに、何故圭じゃなく俺に頼ったのか。気になってあやくんに問うと、「堂々と了承したくせに実は歌下手とかかっこ悪いじゃないですか」……らしいけど、俺はそんなの知ったこっちゃないので即連絡を取らせてもらった。
圭は快く引き受けてくれて、今に至る。
「わざわざ朝からごめんな〜、圭!」
「引き受けてくれてありがとう」
『そんな、俺とのコラボのためにきばってくれてるんやろ? こちらこそ、おおきに』
……最初は妬いたりしてたけど、やっぱり身内と自分の大切な人が仲良くしてると嬉しいな。
それに、圭とあやくんは雰囲気が似ているので、何だか子犬の戯れみたいだ。微笑ましいなと眺めていると、ふゆが視線を送ってきた。目が合い、そのあと、ふゆの視線はスライドしてパソコンに映る。
あぁ、早く音源を流せと言うことか。
はいはい、と呟いて、ふゆのパソコンを触った。
最初に歌うのはあやくん。前もって二人から聞いて、歌える曲リスト作ってきたんだよね。それから著作権に引っかからない音源を探し出してとなると、結構少なくなっちゃったけど。
「じゃ、早速流すねー?」
「お願いします……!」
「……ありがとう」
『楽しみやわー! とんでもない音痴やったら爆笑してあげるから安心して』
圭の安心していいのか分からない微妙な言葉に笑ってから、あやくんは緊張した面持ちでマイクを握った。
スピーカーから音源が流れる。記念すべき一曲目に選ばれたのは、あやくんらしい元気な青春ソングだった。途中にサブボーカル、ふゆとの掛け合いがあり、一応「フユアヤ」の一ファンとしては結構楽しみだったりする。
俺と圭の少しの期待感を乗せて、あやくんは息を吐いて、吸って、吐いて。
歌い出した。
