幼馴染に恋を拗らせていたら、いつの間にか取り返しのつかないぐらい周りを巻き込んでいたらしい!

 ◇

 水を呷って、机に突っ伏した。
 ふうーっと息をつくと、ヘッドフォンから軽やかな笑い声が飛び込んでくる。

『圭サン、どーだった? うちの弟たちは』
「最初に俺を一人置いてった裏切り者が……」

 フユアヤとのミーティングが終わり、俺はまた千と通話を繋いでいた。ひんやりとしたデスクから頬を離し、頬杖をつく。
 弟たち……なぁ。

「……超ええ子たちやった」
『んふっ、でしょー?』
「可愛かったコミュ力高かった眩しかった」

 それこそ弱点が見つからへんほど。アヤとは好きなゲームや曲が似ていて会話も弾むし、フユも無口かと思たら案外こことゆうタイミングで相槌や自分の意見を言ってくれる。
 正直楽しかったし、俺までフユアヤの沼に引きずり込まれそう。
 若いが怖いのやあらへん。フユアヤがすごいんだ。

「フユアヤ怖……」
『あっはは、ありがと〜。大絶賛だったって伝えとく。それで、コラボの話は?』

 せや、肝心な話題。俺はメモを手に取った。
 一応千も今回仲介役の関係者やし、話した方がええよな。

「ゲームはアヤと俺の趣味が一緒で、それになりそう。日程と時間はこれから何度かまたミーティングを重ねて決めるって感じ……」

 俺も大学生でそうだけど、フユアヤも高校生やろ? どうやって学業と両立しとんのやろう。
 心配ではなくシンプルに気になる。ぼーっとメモを眺め、そういえば、と口に出した。

「フユアヤ、……ビジネスやんな?」

 ほんまに付き合ってたりせぇへんよな?

 ミーティングでは流石にいつも動画や配信で見るいちゃいちゃはなかったが、あくまでそれは物理の問題で、フユはアヤと話す時だけ甘い声になってたし、アヤはフユに甘えるように回答を求めるのが多い、……ような気がしなくもなくもない。
 付き合ってるって言われても信じられるような状態になってきて、俺は千に答えを求める。

『えー。それは自分の目で確かめなきゃじゃない?』

 と、ふわっとした答えが返ってきた。にやにやとしている千が頭に浮かんで(リアルな顔知らんけど)、口元が引きつる。
 あーもう、苛つくわ〜!

「はあ、俺も彼女欲しい……」

 でも彼女バレすると炎上確定で、そらそれでめんどくさい。フユアヤはオープンにしとるから付き合ってても人気が上昇するだけだろうしな羨ましい。
 そこまで考えて、一つのことを閃いた。にやっと口角をあげ、モニターを覗き込む。

「なあ千、俺とビジネスカップルチャンネル始めん?」
『声出し無理なので却下で〜』
「ツッコむとこそこ?」

 声色をミリも崩さずきっと満面の笑みで即答された。少しは動揺せぇよ、いや俺も「やろう」って言われても困るけどさ。
 肩を伸ばし、あくびを噛み殺した。

 まあとりあえず、フユアヤとのコラボ、きばろっか。