「おめでとう、響魚くん!」
「一位じゃなくて、ごめんな」
「十位以内なだけでもすごいことだよ」
「来年は一位をとって見せる。全てお前に捧げるからな。今年はお守りが効いたみたいだ、ずっとそばにいたんだぞ。お前のおかげで入賞できた」
表彰終了後、参加した生徒たちは解散になった。
響魚はふたりで最寄り駅に向かう途中で胸元に下げられた指輪を見せる。そんな響魚に対して優凪も胸元から同じように指輪を、ふたりのおそろいはきらきらと輝いていた。どうやらお守りの効能はあったらしい。
「あとこれ……庄司くんにもらったよ。響魚くんのだって、陸上部の」
先ほど庄司からもらった紙袋を響魚へ。その中に入っていたウインドブレーカーを取り出した響魚は自分の名が記された陸上部のそれを羽織る。サイズはぴったり、学校名も記された特製のウインドブレーカーは、これから響魚が再び戦いの舞台に立つことを宣言したようだった。
「今日は家まで送るよ、優凪。身体は冷えていないか?」
「大丈夫、響魚くんこそ疲れているんじゃない?」
「はは、この程度で疲れてちゃあ部活すら出来ないな。俺は平気だ、久しぶりに本気で走って楽しかったよ」
「走ってる響魚くん、本当に格好良かった。惚れ直しちゃったくらいだよ」
「俺もゴールでお前が見ているのに気が付いたから頑張れたんだ」
「来年は県大会代表だね!」
「まあ、やれるだけのことはするよ」
「大会には僕応援に行くから、見守らせてよ、王子さまを。響魚くんはずっと僕の誇りなんだ」
「優凪」
響魚は周りも気にせずに優凪を抱きしめる。周りにいた数人の生徒は驚いた顔をした、もちろん抱きしめられた優凪も。
「き、響魚くん……! 皆、見てる……」
「俺だけのお姫さまだ、構わないだろ」
冬の夕暮れは早くてもう日は傾きかけていた。一日の終わりの冷えた優凪の頬に響魚は優しく頬ずりをする。その頬の温かさに、優凪は涙が浮かんでしかたなかった。響魚は優凪のもので優凪は響魚のもの。そのことがいま、心に染みて……もう孤独な自分はどこかにいってしまったと。
「なあ優凪、クリスマスはどうしようか、お正月もあるぞ」
「綺麗な夜景を観に行きたいな、あとは神社にお参りも。でもふたりでいられるのならどこだって構わないんだけどね」
「お祝いには美味しいものを食べような、またちらし寿司にするか?」
「うん、楽しみにしてる!」
夢は広がる、ふたりの世界はまだまだ始まったばかりだから。それでもお互いまだ十六歳、積み重ねる年月の中でふたりはこれから何を見るのだろうか。楽しいことばかりじゃないだろう、でもどんな困難もふたりだったら乗り越えられる。そばにいて手のひらと体温を触れ合わせるだけで、その心は通じ合うのだ。
響魚に、優凪に、出会えてよかった、それはいつも感じている。一緒にいよう、そしてお姫さまは王子さまとこれからもずっとずっと……。
「一位じゃなくて、ごめんな」
「十位以内なだけでもすごいことだよ」
「来年は一位をとって見せる。全てお前に捧げるからな。今年はお守りが効いたみたいだ、ずっとそばにいたんだぞ。お前のおかげで入賞できた」
表彰終了後、参加した生徒たちは解散になった。
響魚はふたりで最寄り駅に向かう途中で胸元に下げられた指輪を見せる。そんな響魚に対して優凪も胸元から同じように指輪を、ふたりのおそろいはきらきらと輝いていた。どうやらお守りの効能はあったらしい。
「あとこれ……庄司くんにもらったよ。響魚くんのだって、陸上部の」
先ほど庄司からもらった紙袋を響魚へ。その中に入っていたウインドブレーカーを取り出した響魚は自分の名が記された陸上部のそれを羽織る。サイズはぴったり、学校名も記された特製のウインドブレーカーは、これから響魚が再び戦いの舞台に立つことを宣言したようだった。
「今日は家まで送るよ、優凪。身体は冷えていないか?」
「大丈夫、響魚くんこそ疲れているんじゃない?」
「はは、この程度で疲れてちゃあ部活すら出来ないな。俺は平気だ、久しぶりに本気で走って楽しかったよ」
「走ってる響魚くん、本当に格好良かった。惚れ直しちゃったくらいだよ」
「俺もゴールでお前が見ているのに気が付いたから頑張れたんだ」
「来年は県大会代表だね!」
「まあ、やれるだけのことはするよ」
「大会には僕応援に行くから、見守らせてよ、王子さまを。響魚くんはずっと僕の誇りなんだ」
「優凪」
響魚は周りも気にせずに優凪を抱きしめる。周りにいた数人の生徒は驚いた顔をした、もちろん抱きしめられた優凪も。
「き、響魚くん……! 皆、見てる……」
「俺だけのお姫さまだ、構わないだろ」
冬の夕暮れは早くてもう日は傾きかけていた。一日の終わりの冷えた優凪の頬に響魚は優しく頬ずりをする。その頬の温かさに、優凪は涙が浮かんでしかたなかった。響魚は優凪のもので優凪は響魚のもの。そのことがいま、心に染みて……もう孤独な自分はどこかにいってしまったと。
「なあ優凪、クリスマスはどうしようか、お正月もあるぞ」
「綺麗な夜景を観に行きたいな、あとは神社にお参りも。でもふたりでいられるのならどこだって構わないんだけどね」
「お祝いには美味しいものを食べような、またちらし寿司にするか?」
「うん、楽しみにしてる!」
夢は広がる、ふたりの世界はまだまだ始まったばかりだから。それでもお互いまだ十六歳、積み重ねる年月の中でふたりはこれから何を見るのだろうか。楽しいことばかりじゃないだろう、でもどんな困難もふたりだったら乗り越えられる。そばにいて手のひらと体温を触れ合わせるだけで、その心は通じ合うのだ。
響魚に、優凪に、出会えてよかった、それはいつも感じている。一緒にいよう、そしてお姫さまは王子さまとこれからもずっとずっと……。
