早朝五時、響魚は今日も早起きをして自宅周辺から近所の自然公園まで走っていた。この時期では犬の散歩にも早いくらいで、走り始めは寒くて少し凍える。でも、走る。ペースは以前のものを取り戻していた、この調子でマラソン大会まではあと少し。
全ては優凪のくれた贈り物だ。陸上部に復帰する機会も、走る楽しさも……人を愛することも全て、優凪が与えてくれたもの。無駄にするわけにはいかない。正直学校で十位以内になんてゴールできる自信はなかったが、優凪のために精いっぱい走るのだ。響魚の想いをこめて、その勝利は優凪に捧げる。
「響魚くん今朝も走って来たの?」
「ああ、寒くなったな」
「そうだねえ、僕も毛布もう一枚出そうか迷ってる。冬が来るね」
「優凪、クリスマスはどこか行きたいところはあるか?」
「はは、まだ早いよー、マラソン大会の方が大事でしょ」
「お前と一緒にいられることも大事なんだよ。また料理しようか、今度はなにがいい?」
「うーん、そうだね、考えておく」
響魚の横顔がどこか以前より精悍な顔つきになった気がした。毎日走っているせいかたくましくなった気がする。クリスマスもそれは楽しみではあるけれど、それより前にあるマラソン大会のほうが、正直優凪は気になって仕方がなかった。当日彼を十人以内に迎えられるのか、ゴール地点で、優凪は待つ。
「そんなに気にするな、陸上部に復帰できなくてもそれは俺の責任だ。きっぱりあきらめるのも人生だろう」
「あきらめるなんて……響魚くんは絶対大丈夫だよ!」
「まあ、人生何があるかわからないからな」
どこか達観したことを言う。でも本当は響魚が気にしていないはずはなかった。これは最後のチャンスだ、彼の人生のこれからを左右する。いまの優凪にしてあげられることはないだろうか。響魚の心を、守るために。
「……響魚くん、明日の放課後渡したいものがあるんだ」
全ては優凪のくれた贈り物だ。陸上部に復帰する機会も、走る楽しさも……人を愛することも全て、優凪が与えてくれたもの。無駄にするわけにはいかない。正直学校で十位以内になんてゴールできる自信はなかったが、優凪のために精いっぱい走るのだ。響魚の想いをこめて、その勝利は優凪に捧げる。
「響魚くん今朝も走って来たの?」
「ああ、寒くなったな」
「そうだねえ、僕も毛布もう一枚出そうか迷ってる。冬が来るね」
「優凪、クリスマスはどこか行きたいところはあるか?」
「はは、まだ早いよー、マラソン大会の方が大事でしょ」
「お前と一緒にいられることも大事なんだよ。また料理しようか、今度はなにがいい?」
「うーん、そうだね、考えておく」
響魚の横顔がどこか以前より精悍な顔つきになった気がした。毎日走っているせいかたくましくなった気がする。クリスマスもそれは楽しみではあるけれど、それより前にあるマラソン大会のほうが、正直優凪は気になって仕方がなかった。当日彼を十人以内に迎えられるのか、ゴール地点で、優凪は待つ。
「そんなに気にするな、陸上部に復帰できなくてもそれは俺の責任だ。きっぱりあきらめるのも人生だろう」
「あきらめるなんて……響魚くんは絶対大丈夫だよ!」
「まあ、人生何があるかわからないからな」
どこか達観したことを言う。でも本当は響魚が気にしていないはずはなかった。これは最後のチャンスだ、彼の人生のこれからを左右する。いまの優凪にしてあげられることはないだろうか。響魚の心を、守るために。
「……響魚くん、明日の放課後渡したいものがあるんだ」
