あなたの隣で泣けたなら。

「お前ってブサイクだよな笑」

あのときあなたに言われた言葉を今でも鮮明に覚えてる。

ねえ私、すっごく可愛くなったと思うんだ。

人一倍努力して自分を磨いたよ。

あなたは今どこにいるの?

もう一度私を見て。

可愛いって言ってよ__。












高校一年生春。

私、外薗心亜(ほかぞのこあ)はついに念願叶って憧れだった私立音ヶ丘高校に入学する日を迎えた。

目の前に広がる大きくてきれいな校舎。かわいい制服。まだ学校に足を踏み入れただけなのにわくわくが止まらなかった。

「1年7組27番 外薗心亜」

廊下に張り出された掲示板から自分の名前を見つけたときは心底嬉しかった。けど、、人数多すぎない?!一学年7クラスとか聞いたことないんですけどーー!!

ほんとうはあいつの名前も探したかったんだけど人が多すぎてそれどころじゃなさそうなんだよな。私はしぶしぶ自分の教室に向かうことにした。

周りの人達はみんな中学からの友達と来ているものだと思っていたがどうやらみんながみんなそうではないみたいだ。私はこの学校に中学からの友達どころか同級生すらいないため少しだけ安心した。

「1年7組、ここかな?もう結構人いる、、」

ふぅ。私なら行ける。そう心のなかで深く深呼吸をして教室に入った。

教室に入ると何人かがちらちらと私の方を見ながら小声で話し始めた。

会話の内容が聞き取れない。

怖い。

私の顔になにか付いてるかな。

それとも制服うしろまえ、、?

そんなネガティブなことばかり考えながら黒板に書いてある通り、窓際から3番目、後ろから1番目の席に座った。

すると近くにいた女の子からいきなり声をかけられた。

「”そとぞの”こあちゃん?であってる?どこの中学校からきたの?!めっちゃかわいいね!!」

「えぇ嬉しい!ありがとう!苗字読みづらいよね笑”そとぞの”って書いて”ほかぞの”って読むの。名前は合ってる!出身中学校は港中学校っていう小さい学校だよ。あなたの名前は?」

「私は、湖に崎、結ぶに衣って書いて湖崎結衣(いずみざきゆい)よろしくね!こあちゃん」

湖崎結衣ちゃん。控えめな茶毛できれいなタッセルボブ。それにしっかりとした目鼻立ちをしていて、湖崎という苗字がとっても似合っていた。

「ねえねえ心亜ちゃん。気づいてる??心亜ちゃんが教室に入ってきたときさ、周りがみんな、あの子めっちゃ可愛くね?、友だちになりたい、ってざわざわしてたよおお??」

「え、ほんと、?よかったあ、制服うしろまえじゃなかったあ、、」

「あはは、なにそれ笑かわいいんですけどぉー」

私の努力、自分じゃあまり気が付かなかったけどちゃんと報われてたんだ。

「心亜ちゃん、ほーら噂をすれば、、!」