オレンジ色の空に、遠くまで広がる草原
沈んでいく夕日。
それをユリアスと王国を出てしばらく歩いた先で
眺めていた。
エレンシアは優しく吹く
風を感じながらも思いを馳せる。
全てのことが終わった、
あの場所もあの出来事も何もかも全てが。
けれど…
これまで、決められた運命で生きてきていた
それが突然消えてしまい自由の身になったとして
これからどうしていけばいいのか分からない。
何をしたいのか分からず、
何もない未来になってしまうのが怖い。
その時隣から優しい声が聞こえた。
「…無理に決めようとしないで。」
エレンシアはゆっくりと顔をあげる、
ユリアスはまっすぐ見つめていた。
「分からなくて当然だよ。」
「突然、全てが変わってしまったんだから。」
その言葉は、静かだが
けれど不思議と、心に染み渡る。
ユリアスは夕日を眺めながら
迷うような表情をしてから、
再びエレンシアの方を向き口にした。
「エレンシア」
「エトランテ王国へ来てみないか?」
エレンシアの瞳が僅かに揺れる。
「エトランテ王国に…ですか?」
「すぐに決めなくていいよ。」
「どうしたいのか分からないなら」
「一緒に探そう。」
エレンシアに近づき優しく手を握る。
握る手はとても温かい。
「君が、自ら選ぶことができるように」
「その手伝いをさせて欲しい。」
その言葉と優しさに
胸が締め付けられる。
気づけば、頬から涙がポロリと落ちた。
落ちれば、さらに涙が溢れ出てくる。
止めようとしても止められない。
声が震えてしまうし言葉も上手く出てこない。
涙を流し始めた、エレンシアに
ユリアスは目を見開く。
「エ、エレンシア…!?」
「どうして…そんなにも…」
「私なんかに…優しくしてくれるんですかっ…?」
絞った声でユリアスに問いかける。
「私は…何もできなくて…壊れてしまった…。」
「それなのに…どうして…っ」
涙が止まらない。
悲しいんじゃない、けれど嬉しいんじゃない。
どんな感情なのか分からない。
突然心から溢れ出てきたものだった。
ユリアスはゆっくりと息を吸ってから
エレンシアの頬に触れて優しく涙を拭いながら言う。
「別に優しくしているんじゃない。」
「ただ…放っておけない」
「いや放っておきたくないんだ。」
嘘偽りのないその言葉が
エレンシアの心に深く染み渡っていく。
ユリアスは続ける。
「エレンシア。」
涙目になりながらも、見つめるエレンシアに
ユリアスは告げた。
「俺は君のことが好きだ。」
同時に、夕日が二人を差し込む。
「あの時、君に助けられた時から」
「君を忘れることなんてなかった。」
「君が、苦しんでいる時に」
「何も出来なかった自分を強く恨んだ。」
「だから、今度は…」
「絶対に訳に立ちたい。」
「君が笑えるように」
「君の傍にいたいんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、
涙の奥で何かが解けていく。
長い時間、縛られ続けていた何かが。
積まれたものが崩れていくかのように。
「…ずるいです。ユリアス様…。」
震えた声と涙でぐしゃぐしゃになった顔でありながらも
「そんなことを言われたら…。」
「…嬉しいのか、悲しいのか、」
「分からないのに…。」
「でも…。
あなたといると…怖くないんです。」
その一言と同時に、
エレンシアは涙を流しながらも、心の底からの
微笑みを見せた。
「…一緒に行ってもいいですか?」
その微笑みは
作り物でも、誰かによって
押し付けられたものでも無い。
自然と生まれてきたものであった。
ユリアスは優しく笑う。
「うん。」
「一緒に行こう。」
手を差し伸べられ、エレンシアは快く手を取った。
二人は再び並んで歩み始めた。
過去ではなく未来へと。
沈んでいく夕日。
それをユリアスと王国を出てしばらく歩いた先で
眺めていた。
エレンシアは優しく吹く
風を感じながらも思いを馳せる。
全てのことが終わった、
あの場所もあの出来事も何もかも全てが。
けれど…
これまで、決められた運命で生きてきていた
それが突然消えてしまい自由の身になったとして
これからどうしていけばいいのか分からない。
何をしたいのか分からず、
何もない未来になってしまうのが怖い。
その時隣から優しい声が聞こえた。
「…無理に決めようとしないで。」
エレンシアはゆっくりと顔をあげる、
ユリアスはまっすぐ見つめていた。
「分からなくて当然だよ。」
「突然、全てが変わってしまったんだから。」
その言葉は、静かだが
けれど不思議と、心に染み渡る。
ユリアスは夕日を眺めながら
迷うような表情をしてから、
再びエレンシアの方を向き口にした。
「エレンシア」
「エトランテ王国へ来てみないか?」
エレンシアの瞳が僅かに揺れる。
「エトランテ王国に…ですか?」
「すぐに決めなくていいよ。」
「どうしたいのか分からないなら」
「一緒に探そう。」
エレンシアに近づき優しく手を握る。
握る手はとても温かい。
「君が、自ら選ぶことができるように」
「その手伝いをさせて欲しい。」
その言葉と優しさに
胸が締め付けられる。
気づけば、頬から涙がポロリと落ちた。
落ちれば、さらに涙が溢れ出てくる。
止めようとしても止められない。
声が震えてしまうし言葉も上手く出てこない。
涙を流し始めた、エレンシアに
ユリアスは目を見開く。
「エ、エレンシア…!?」
「どうして…そんなにも…」
「私なんかに…優しくしてくれるんですかっ…?」
絞った声でユリアスに問いかける。
「私は…何もできなくて…壊れてしまった…。」
「それなのに…どうして…っ」
涙が止まらない。
悲しいんじゃない、けれど嬉しいんじゃない。
どんな感情なのか分からない。
突然心から溢れ出てきたものだった。
ユリアスはゆっくりと息を吸ってから
エレンシアの頬に触れて優しく涙を拭いながら言う。
「別に優しくしているんじゃない。」
「ただ…放っておけない」
「いや放っておきたくないんだ。」
嘘偽りのないその言葉が
エレンシアの心に深く染み渡っていく。
ユリアスは続ける。
「エレンシア。」
涙目になりながらも、見つめるエレンシアに
ユリアスは告げた。
「俺は君のことが好きだ。」
同時に、夕日が二人を差し込む。
「あの時、君に助けられた時から」
「君を忘れることなんてなかった。」
「君が、苦しんでいる時に」
「何も出来なかった自分を強く恨んだ。」
「だから、今度は…」
「絶対に訳に立ちたい。」
「君が笑えるように」
「君の傍にいたいんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、
涙の奥で何かが解けていく。
長い時間、縛られ続けていた何かが。
積まれたものが崩れていくかのように。
「…ずるいです。ユリアス様…。」
震えた声と涙でぐしゃぐしゃになった顔でありながらも
「そんなことを言われたら…。」
「…嬉しいのか、悲しいのか、」
「分からないのに…。」
「でも…。
あなたといると…怖くないんです。」
その一言と同時に、
エレンシアは涙を流しながらも、心の底からの
微笑みを見せた。
「…一緒に行ってもいいですか?」
その微笑みは
作り物でも、誰かによって
押し付けられたものでも無い。
自然と生まれてきたものであった。
ユリアスは優しく笑う。
「うん。」
「一緒に行こう。」
手を差し伸べられ、エレンシアは快く手を取った。
二人は再び並んで歩み始めた。
過去ではなく未来へと。

