あれからのこと、ユリアスは度々
エレンシアのいる孤児院へと通うようになっていた。
そんな彼に対して、エレンシアは嫌な顔をせず
寧ろ歓迎していた。
最初、ユリアスに警戒態勢になっていた子供達は
すっかりとユリアスを気に入り遊びに誘うほどにまで
仲が良くなっていた。
今日も、ユリアスが孤児院にやってくることを予測して
門の前まで子供達は待ち伏せていた。
馬車から降りてきたユリアスを見れば
素早く走っては詰め寄る。
「赤い目のお兄さん!」
「また、来てくれたんだね!」
詰め寄られてユリアスは困ったように笑いながらも
優しく子供たちを見ていた。
その時だった
一人の少年がズカズカとユリアスの前へと出てきた。
身長差がかなりあるユリアスを見上げながらも
腕を組んでいた。
「お兄さん、何をしに来たの?」
ストレートな質問が飛んでくる。
がしかし、ユリアスは迷うことなく口にした。
「友達に会いに来たんだよ。」
そしてある方へと視線を向ける。
子供達はユリアスの見る方を見てみれば
そこに映るのはエレンシアだった。
院長や、カリナと一緒に洗濯を干している様子
子供たちの使う洋服を丁寧に整えていた。
少年は目を丸くする。
「友達ってエレンシアお姉ちゃん?」
問いかけると、照れながらも笑って
「そうだよ。」と答えた。
更に子供たちがユリアスに詰め寄ってくる。
「エレンシアお姉ちゃんの友達!?」
「ほんとに!?」
質問が一斉に飛び交う。
「名前はなんて言うの?」
「何歳?」
「剣使える?」
「お金持ちなの?」
ユリアスは完全に包囲されていた。
(尋問されているみたいだな…。)
苦笑しながらも、ユリアスは淡々と答えた。
「名前は、ユリアス。」
「剣は、まあまあって所かな。」
実際剣の実力は遥かに上であるがあえて
黙っておくことにしたユリアス。
すると、少年は目を輝かせた。
「じゃあ、勝負だ!」
そう言って、少年は長めの木の棒を持ってきた。
「僕、剣士だから!」
そう言う少年に隣にいる子どもは言う。
「嘘だよ!この子弱い!」
喧騒な雰囲気になる中
ユリアスは少し笑ってから、
少年から木の棒を受け取る。
「いいよ。その勝負受けてあげる。」
ユリアスは少年の前に出て、剣を構える体制に。
「そこの君、始まりの合図をしてくれる?」
女の子は、頷いてから二人の前へと出る。
「じゃあ…」
手を上にあげて、
「よーい」
「はじめ!」
一気に下へと下げる。
その瞬間、少年は、ユリアスの前へと詰めより
棒を思い切り振った。
しかし、華麗によけられてしまう。
「えっ…」
驚いて体勢を崩しそうになる。
ユリアスは余裕に満ちた顔をしながら
「もっと、来ていいよ。」と言って構える。
少年は何とか立て直して再び
ユリアスに向かって棒を振りかざした。
しかし再び避けられてしまう。
こんなにも少年が振りかざしているのに
素早く華麗に避けるユリアスに
見ていた子供たちから歓声を上げる。
「すごーい!!」
「お兄さん強いね!!」
「もう一回やって!」
気づいたら剣術大会が始まっていた。
洗濯物を干している最中に子供たちの歓声が
聞こえ、エレンシアもその光景を眺めていた。
(楽しそう…。)
いつも、子供達は元気でいるけれど
今日はいつも以上に元気な様子であった。
そして子供たちの真ん中にいるユリアス。
その時、ふと小さな女の子に裾を引っぱられる。
「お姉ちゃん、ユリアスお兄ちゃん強いね!」
「ええ。強いみたいね。」
エレンシアはユリアスを見てみる。
子供たちに囲まれて戯れて笑っていた。
その光景を見て、エレンシアの胸の中が
ほんの少しだけ温かく感じた。
「エレンシアお姉ちゃん!」
「見て!」
少年に声をかけられてユリアスの方を見てみる。
互いに目が合う。
ユリアスは照れた表情をしながらも言う。
「助けて」
「このままだと剣術大会が終わらないんだ。」
「まだ終わらないから!次は僕だよ!」
「次は私だから!」
子供たちと楽しそうにしているユリアスを見て
「ふふ。」
エレンシアは微かに笑った。
エレンシアは笑っていることに気づいていないように見えるが、ユリアスは完全に見て一瞬動きを止めた。
(今…笑った。)
僅かながらの微笑みに胸が高鳴るユリアス。
そんな様子のユリアスに少年は隙を突く。
その瞬間、我に返りユリアスは受け止める。
ギリギリで木の棒を避けることができた。
洗濯物を全て干したあと、エレンシアは
中に入らずにユリアスと子供たちによる剣術大会を
眺めていた。
その後、子供たちとの剣術大会が終わってから
院長がおやつの時間だと伝える。
疲れ果てた子供達は甘い香りを感知してから
孤児院の中に続々と入っていく。
そんな中エレンシアは中に入らずに
ユリアスの方へと近づいた。
「…大人気ですね。」
ユリアスは軽く笑う。
「どうやら、そうみたいだ。」
それからも、ユリアスは孤児院の元へと通い続けた。
子供たちと遊びながらも手伝いをして、
そして、エレンシアの隣にいる時間も増えていく。
彼女は変わらず静かであった。
しかし、確実に少しずつ
エレンシアの感情が戻ってきていた。
エレンシアのいる孤児院へと通うようになっていた。
そんな彼に対して、エレンシアは嫌な顔をせず
寧ろ歓迎していた。
最初、ユリアスに警戒態勢になっていた子供達は
すっかりとユリアスを気に入り遊びに誘うほどにまで
仲が良くなっていた。
今日も、ユリアスが孤児院にやってくることを予測して
門の前まで子供達は待ち伏せていた。
馬車から降りてきたユリアスを見れば
素早く走っては詰め寄る。
「赤い目のお兄さん!」
「また、来てくれたんだね!」
詰め寄られてユリアスは困ったように笑いながらも
優しく子供たちを見ていた。
その時だった
一人の少年がズカズカとユリアスの前へと出てきた。
身長差がかなりあるユリアスを見上げながらも
腕を組んでいた。
「お兄さん、何をしに来たの?」
ストレートな質問が飛んでくる。
がしかし、ユリアスは迷うことなく口にした。
「友達に会いに来たんだよ。」
そしてある方へと視線を向ける。
子供達はユリアスの見る方を見てみれば
そこに映るのはエレンシアだった。
院長や、カリナと一緒に洗濯を干している様子
子供たちの使う洋服を丁寧に整えていた。
少年は目を丸くする。
「友達ってエレンシアお姉ちゃん?」
問いかけると、照れながらも笑って
「そうだよ。」と答えた。
更に子供たちがユリアスに詰め寄ってくる。
「エレンシアお姉ちゃんの友達!?」
「ほんとに!?」
質問が一斉に飛び交う。
「名前はなんて言うの?」
「何歳?」
「剣使える?」
「お金持ちなの?」
ユリアスは完全に包囲されていた。
(尋問されているみたいだな…。)
苦笑しながらも、ユリアスは淡々と答えた。
「名前は、ユリアス。」
「剣は、まあまあって所かな。」
実際剣の実力は遥かに上であるがあえて
黙っておくことにしたユリアス。
すると、少年は目を輝かせた。
「じゃあ、勝負だ!」
そう言って、少年は長めの木の棒を持ってきた。
「僕、剣士だから!」
そう言う少年に隣にいる子どもは言う。
「嘘だよ!この子弱い!」
喧騒な雰囲気になる中
ユリアスは少し笑ってから、
少年から木の棒を受け取る。
「いいよ。その勝負受けてあげる。」
ユリアスは少年の前に出て、剣を構える体制に。
「そこの君、始まりの合図をしてくれる?」
女の子は、頷いてから二人の前へと出る。
「じゃあ…」
手を上にあげて、
「よーい」
「はじめ!」
一気に下へと下げる。
その瞬間、少年は、ユリアスの前へと詰めより
棒を思い切り振った。
しかし、華麗によけられてしまう。
「えっ…」
驚いて体勢を崩しそうになる。
ユリアスは余裕に満ちた顔をしながら
「もっと、来ていいよ。」と言って構える。
少年は何とか立て直して再び
ユリアスに向かって棒を振りかざした。
しかし再び避けられてしまう。
こんなにも少年が振りかざしているのに
素早く華麗に避けるユリアスに
見ていた子供たちから歓声を上げる。
「すごーい!!」
「お兄さん強いね!!」
「もう一回やって!」
気づいたら剣術大会が始まっていた。
洗濯物を干している最中に子供たちの歓声が
聞こえ、エレンシアもその光景を眺めていた。
(楽しそう…。)
いつも、子供達は元気でいるけれど
今日はいつも以上に元気な様子であった。
そして子供たちの真ん中にいるユリアス。
その時、ふと小さな女の子に裾を引っぱられる。
「お姉ちゃん、ユリアスお兄ちゃん強いね!」
「ええ。強いみたいね。」
エレンシアはユリアスを見てみる。
子供たちに囲まれて戯れて笑っていた。
その光景を見て、エレンシアの胸の中が
ほんの少しだけ温かく感じた。
「エレンシアお姉ちゃん!」
「見て!」
少年に声をかけられてユリアスの方を見てみる。
互いに目が合う。
ユリアスは照れた表情をしながらも言う。
「助けて」
「このままだと剣術大会が終わらないんだ。」
「まだ終わらないから!次は僕だよ!」
「次は私だから!」
子供たちと楽しそうにしているユリアスを見て
「ふふ。」
エレンシアは微かに笑った。
エレンシアは笑っていることに気づいていないように見えるが、ユリアスは完全に見て一瞬動きを止めた。
(今…笑った。)
僅かながらの微笑みに胸が高鳴るユリアス。
そんな様子のユリアスに少年は隙を突く。
その瞬間、我に返りユリアスは受け止める。
ギリギリで木の棒を避けることができた。
洗濯物を全て干したあと、エレンシアは
中に入らずにユリアスと子供たちによる剣術大会を
眺めていた。
その後、子供たちとの剣術大会が終わってから
院長がおやつの時間だと伝える。
疲れ果てた子供達は甘い香りを感知してから
孤児院の中に続々と入っていく。
そんな中エレンシアは中に入らずに
ユリアスの方へと近づいた。
「…大人気ですね。」
ユリアスは軽く笑う。
「どうやら、そうみたいだ。」
それからも、ユリアスは孤児院の元へと通い続けた。
子供たちと遊びながらも手伝いをして、
そして、エレンシアの隣にいる時間も増えていく。
彼女は変わらず静かであった。
しかし、確実に少しずつ
エレンシアの感情が戻ってきていた。

