ぼっちで死んだら、創造主が迎えに来た!〈わたしゃ、既に死んでいる〉



 
 私達はサミュエルさんに連れられて、大きな門の前に立っている。何処までも高い頑丈そうな塀が続いていた。

 門番さんに、サミュエルさんが挨拶して、私達も続いた、その先にある詰所?で、入国手続きをしている。

「みなさんは、どちらから来られたのですか?」

「この子がサテライトからで、私達はロイゾン国からです」

「ステイタスカードは、お持ちですか?」

「私達は、カードを提示した」

「楓、私はステイタスカード持ってない」

 サーシャはステイタスカードを持ってないようだ。

「大丈夫ですよ」

 サミュエルが受付の人に何かを話している。

「サーシャさん、此方に来て」

 あれは、いつぞや見た静脈認証機?

「サーシャさんのカードは、サーティー所属にしておきました」

 サーシャさん嬉しそう。良かったね。

 無事に入国手続きを終えて、水路をゴンドラ?に乗って、サーティーに、道中サミュエルさんから、マロン教国のルールなどを聞いた。

 なんとマロン教国には、通貨はないそうだ。

 教国の住民は衣食住を保証され、怪我や病気もすぐさまに、治して貰えるそうだ。

 ただし、自分の出来る仕事をするとの事。

 私の出来る事は…お金の勘定…うっ、この国では無駄スキルだよ!

 ゴンドラの揺れが心地よい、綺麗な街並みも相まって、確かに夢の国だ!

 …、あそこにいるのは、オーク?あっちにはオーガ?何かを運んでいるみたいだよ、サミュエルさんの話ではマロン教国では、色々な種族が共存していると言う。

 それから、是非食堂で食事を食べて行ってくださいと…料理にも自信があるのかな?

「着きましたよ」

 なんて事だ、眼前にそびえ立つお城が、これは王宮と言う奴だ。

 サミュエルさんは王様?

 サミュエルさんの話では、元々は、サテライトの王族で、サミュエルさんは王子だったそうだ。

 軍国に、侵略を受けそうな時に、神様の御慈悲で、この地に住まわせて貰ったそうだ。

 城は今は教会として、使って貰っていると言う、サミュエルさんは、元城の横にドアーフが作ってくれた…古民家?古民家だよね!此れ!住んでいると言う。

 以前は、神様の家の敷地に、住んでいたそうだが、神様が神界に帰られたので、此方に移ったそうだ。

 此方の家をと、滞在中は好きに使って構わないと…マジックバックから古民家を出した!

 皆、驚愕だよ!

 サミュエルさんの執務室で、話しましょうと、誘われたのだが、私達が一緒より、サーシャひとりの方が良いと思い、私達は遠慮したのだが、サーシャが一緒にいて欲しいと言うので、今は執務室のソファーに…ふかふかだよ!

「先ずは、私とサーシャさんの関係から話しましょう」

 サーシャは、サミュエルのはとこの子になるそうだ。

「サーシャさんを救ってくれて、ありがとう」

 元王子様にお礼を言われたよ。

「サーシャさんは、エルフの里を目指していたんだよね」

「はい、サテライト大陸の民を助けて頂けないかと」

「サーシャさんは、何故ひとりで?」

「…。」

 私はつい口を挟んでしまった。

「サテライト大陸の民は、サーシャが王族と知っていて、自分達が苦労しているのはサーシャのせいと…思い詰めたサーシャがひとり小舟に乗って」

「そうですか、サーシャのせいではないですよ」

「あの者達は、自ら望んであの地に戻ったのです」

 戻った?

「あの者達もまた、神の慈悲で一度はこの地で暮らしていたのです…自らあの地に帰りたいと望んだのです」

「あの地の王族もまた、それとは別にあの地に戻りました」

「サーシャの母サブリナは、何もわからないまま、親に連れて行かれただけです。なので、サーシャが気にする事は何もないのです」

 サミュエルさん少しお怒りかな?

「ですので、サーシャさん、私はあの地の民を救う事は出来ません」

「…わかりました」

「旅で疲れたでしょう、今日はゆっくりと休んでください。明日私がマロン教国を案内しましょう」

 私達は執務室を後にして、古民家へ。

 サーシャ大丈夫かな、きっと辛い思いをして来たはずなのに…、サーシャを虐めるなんて許せない!…私も怒りが込み上げて来ちゃうよ!

 いかんいかん、サーシャは優しい子なんだね。

 気持ちを切り替えて、みんなで食堂に行く事に。

 おいおい!自販機だよね此れ!

 注文しても食べれるんだ…このメニューは…唐揚げにハンバーグ、魚の煮付けにステーキ…定食セットはいかが?っておい!

 みんな、何を頼んで良いか迷ってるよ、知らない物ばかりだもんね。

「どれも美味しい物ばかりだよ、コチラから選んで、セットでと注文すれば良いよ」

 みんな覚悟を決めたようだ。

「なんじゃこれは!」

 オヤジ共黙れ!お上りさんみたいで恥ずかしいだろに!ふふ、でも気持ちはわかるよ。まさか、日本のあの味が…あれ…。

「楓…大丈夫?」

「ごめんごめん、大丈夫だよ、あまりに美味しくて」

「本当よね、どれも初めて見るものばかりだけど、こんなに美味しい料理は食べたことないわ」

 サーシャも…がっついて食ってるな、おい!

  元気が出たようで何よりだよ。