ロイゾンを出てから、10日…。海、海、海。もう、お腹いっぱいだよ、とうぶん、海は良いよ。
「あっカモメだ」
「ふふ、カモメがいるって事は、近くに島があるわね」
そうなんだ…、デカ!
「あれは、カモメじゃないよね、ないよね!」
「魔物だな」
私は弓で射ろうとした。
「俺に任せろ」
メイビが結界で、カモメ魔物を閉じ込めた。
…少し残酷な絵図だが…、仕方ない。
「丁度良い、夕飯に使おう」
みんなワイルドだな、流石は元冒険者。
「あそこに、何かあるね」
「うーん、岩だな」
「岩か…小舟がない?」
「うーん、小舟だな」
私達は警戒しながら、小舟に近づいた。
…少女?
「大変!まだ息はあるわ!」
サリーがヒールで、癒していく。
みるみる顔色が良くなった、サリーにどことなく似ている?15才位かな?…耳が尖っている?
「エルフの少女だな」
エルフか、初めて見たよ。
「此処に放置はできないはよね」
「彼女が、どの様な立場なのかはわからんが、俺らも追われの身、問題ないだろ」
そうなんだ、私追われの身なんだ…ハハ。
暫く岩の近くで、停泊する事にした。
急いでる訳でもないしね。
「う、良い匂い…ぎゅるぎゅるぎゅる!」
「はっだ、誰?」
「心配ないわ、通りすがりの冒険者よ」
「そうですか…通りすがりって、海の真ん中で?」
ハハ、なかなかの天然ぷりのようだ。
「こんにちは、私達はラビアンローズと言う冒険者よ」
「こんにちは、私はサーシャ、ぎゅるぎゅるぎゅる!」
「ハハ、先ずは飯にしよう」
「た、食べても?」
「はい、召し上がれ」
まるで、待てを食らっていた、犬のようだよ。
「サーシャ、少しは落ち着いたかな」
「はい、ありがとうございます」
サーシャはマロン教国のエルフの里を目指し、サテライト大陸からひとり舟に乗ったと言う。
サテライト大陸にある集落で、ひとり暮らしていたが、集落の者達からは、お前ら王族のせいで、俺たちまでこんなに苦労しているんだと…。
エルフの里に行けば、集落の人達を、助けて貰えるのではないかと。
うーん、大体、ダメな奴程、人の所為にする者だからな、なんとなくそう思ってしまう。良くは知らないのだが。
マロン教国を目指してる最中、大きな鳥に襲われたらしい。…おや?
魔物が近付いてるのは、だいぶ前からわかっていたのだが、海の上でどうしようも無かったと言う。
「サーシャは、探知能力があるのかな?」
「はい、私の唯一の取り柄で」
「私達も、マロン教国に向かっているの、良かったら一緒に行かない?」
「良いんですか」
「ええ、もちろん」
「貴女さえ良ければ、私達のパーティに入らない?」
「勿論、エルフの里へ行くのも、協力するわ」
「…よろしくお願いします」
新たに、ラビアンローズに、エルフのサーシャが加わった。
良く聞くと、エルフと人の血が混ざっていて、よりエルフの血が強く出ているそうだ。
岩の探索に行っていた、オヤジ共が大きな…卵を抱えて帰って来た。
「大きな卵焼きが出来るぞ」
「サーシャは雛の餌だったようだなハハ」
笑えないから、オヤジ共!
「ピシッ!…ピシピシ!」
「ピーッ!ピーッ!ピーッ!」
雛が孵ってしまった…どうするの?
雛はサーシャを親と認識したようだ。
元餌が親とは…、取り敢えず、魚でも捕まえなくては…頑張れオヤジ共!
「サーシャ、雛に名前を付けてあげたら」
「そうですね、でわ、カモ助で」
…妙に間抜けな感じがするが、雛も気に入っているようなので、良しとする。
パーティメンバーが、一匹…一羽か、ふえた…カモ助よろしくね。


