私達は難なく、ダンジョン1階層まで戻って来れた。
「おかしい、冒険者がいない」
そうなのだ、此処まで1人の冒険者にも、会っていなかった。
「困ったな、既に国が動いているやも」
「向こうに、探索魔法の使い手はいるわよね」
「いるだろうな」
探索魔法と言うものが、あるらしい、便利そうだな。
なんたって、罠を全部メイビの防御結界で、防ぎながら進んだんだ、平気だとわかっていても、心臓に悪い。
「もう、我々の人数も位置も、把握されているだろう」
「みんな、私に良い考えがあるわ」
私は、ほうきにまたがり、サリーを後ろに浮遊した。
「ドレンチ、メイビほうきにぶら下がって」
「お、おう」
「行くよー!Go!」
私達は、ダンジョン入口の人混みの上を、猛スピードで飛び去った。
「やはり、王族近衛師団だったな」
「楓の事は、既に国王に知れた」
「早くこの国を出た方が良いな」
「楓、南東の方角に向かってくれ」
えーっと…
「あっちだ」
私達、ラビアンローズは今、小さな漁村に来ている。
「みんな此処でちょっと待っていてくれ」
メイビが一件の家に入って行った。程なくして、
「舟を一艘譲り受けた、取り敢えず海に出よう」
「そうじゃな、いつ追っ手が来るかわからないし」
「みんな、良いの?」
「何がだ?」
「みんなの故郷なんでしょ?」
「ハハ、構わんさ、今、俺らがいる所が俺らの故郷さ!」
言っていることが、よくわからないけど…。
「ありがとう」
「さあ、行こう、防御結界を張るから、大抵の事は大丈夫だ」
こうして、私達はロイゾン国を後にした。
見渡す限り…海!いつぶりだろうか、海を見るのは、小さい時、家族で行った潮干狩り以来かな…ふふ。
舟には幌が付いていて、日差しを防いでくれている。
どうやって進んでいるんだろと、思っていたら、サリーが教えてくれた。
魔石を使った、動力で海水を噴き出して進んでいるそうだ。魔石に魔力を流せば、何度でも使えるらしい。
「魔石に魔力を流すのは私に任せてね」
「そうね、楓の魔力なら、何処までも行けそうね」
因みに、魔石を見せて貰ったが、無色透明だった。
「此れって、魔力がなくなっているのではわ?」
「ふふ、魔石を見るのは初めて?殆どの物は無色よ」
稀に、赤黒い魔石が見つかる事があるらしいが、大抵は国が管理する事になるらしい。
「ふーん、じゃあ魔力切れても、見た目では、わからないね」
「そうね、その時は、止まるから」
それもそうだね。
「私達は何処へむかってあるの?」
「この際だ、マロン教国に向かうとしよう」
「だが、簡単には教国には入れんぞ」
「…。」
「大体の場所はわかっているのだが、目視できんそうじゃ」
「じゃあ、本当にあるかもどうか…」
「あるのは確実だ」
「まあ、マロンダンジョンは教国の外側、魔物の森の中にあると言われているからな」
「みんなは、行ったことはないの」
「ないな、ロイゾンから出たのも初めてだからな」
そうなんだ。
「新たな冒険の始まりだぜ!」
嬉しそうだな、オヤジ共!


