80年越しの君とあの蛍を忘れない

 八十年前、わずか十四歳で戦場に動員された少女たち。

 俺が恋したのは、その中の一人だった――。





 二〇二四年十月二十六日。

 中学校生活最後の思い出を彩る修学旅行。

 俺たちはプログラムの一環で戦争資料館に行った。

 「あ……」

 三年間サッカー部で苦楽をともにした仲間たちの姿を見つけて、クルッと身を(ひるがえ)す。

 「俺は〝戦犯〟だから……。合わせる顔がない」

 一緒にいると気まずくて、生きた心地がしないんだ。

 俺の担ったキーパーというポジションは、最後の(とりで)かつフィールド内の指示役だ。

 それなのに俺は、有り得ないミスを犯して全選手の未来を絶ってしまった。

 あの日、あの時に、迷うことなくこうしていたら……。

 そんな後悔と同時に、生きるエネルギーも消えた様に感じる。