れーくんの記憶が戻って一ヶ月程が経った。
俺達は元から毎日お昼ご飯を食べる仲だと噂はされていたが今となってはカップルなのではないか?と囁かれている。
「なぎさ、休憩行くぞ」
「あ、はい!」
俺はいつものように弁当をもらい、一緒にいつもの場所へと移動する。
「あの二人ってあんなに仲良かったっけ」
「部長知らないんですか?あの二人噂によるとカップルだとか」
「え、あ!そうなの?いやー、若いっていいね」
「なぎさも仕事覚えるの早いね」
「嶺のおかげだよ」
「……ねぇ、あのさあの時みたいに呼んでよ」
「え」
「れーくんって、この間も呼んでくれたじゃんか」
「えっと………」
この間のは無意識だったり呼ばなきゃ逃げれなかったから仕方なかったけど意識して言うとなると………恥ずかしい。
「恥ずかしいの?昔から変わらないね」
「あ、そこまで思い出したんですか」
「うん、全部思い出した。一ヶ月も経ったし」
よかったような………よくないような………
全部ということは恥ずかしい過去も思い出されたんだろうか………
「あ、そうだ。俺ねいつもあれ持ち歩いてたんだ」
「あれ?」
「そう、カバンに入れてるから今ないんだけど昔くれた熊のちっちゃいぬいぐるみ」
そういえばあげてたな。指輪とかに気を取られて忘れていた。
「……ていうかいつもってことは記憶戻る前も?」
「うん、なんか大事なものな気がして。肌身離さず持ち歩きたいな?ってなった」
「………」
なんか似ているのかもしれない。俺もこの指輪を貰った頃からずっとつけてて無くした時は一晩中泣いてた気がする。
結局あの時は洗濯機の横の隙間から見つかって安心してまた泣いてたな。
今だって小指にギリギリ入るくらい小さいのに無理やりにでもつけている。
高校生の頃も成長してなかなか入らなかった時、ネックレスにしたらいいと母親からは言われたけど頑なに断ってた。
ずっとつけていればずっと一緒にいるような気がしたから。
「んね、なぎさ。ちょっといい?」
「何?どうかしたの」
「あのさ、ずっと言いたかったことあるんだけど」
「………言いたかったこと?」
れーくんは俺の小指をちらっと見てからこちらに目線を向ける。
(もしかしてこの指輪のことか……?)
ずっとつけてるのみっともないとか重いとかそういうのか………?
そんなくらい考えが頭をよぎっているとれーくんはゆっくり口を開く。
「なぎさってさ、俺のこと好き?」
「………え」
「俺、前記憶戻る前になぎさにさ大事な人がいたとか言ってたよな」
「……うん」
「あの時は思い出せなかったから言えなかったけど」
れーくんはおもむろに俺の前へと移動しあの時みたく壁ドンをしてくる。
(またなにか言われる……!?)
そう思い身構えるとれーくんからは思いもしなかった言葉が飛んできた。
「なぎさ、好きだ。結婚しよう」
「…………え?」
「約束しただろ、結婚しようって」
「え!?」
俺が思い込んでいたこととは全くの真逆の言葉で困惑していた。
でも今OK出せばずっと片思いしてたのも解消されるのでは………
「……急に言って悪かったな。忘れて………」
「待って」
気づくと俺はあの時れーくんがしてきたみたいに手首を掴んでいた。
「俺も………ずっと、十八年くらい片思いだと思ってて、ずっと言えなかった」
「え………」
今しかないと思うと言えなかったこともスラスラと言えてしまう。
「それにね、俺自分で記憶を戻させればいいんじゃって考えてたけどやっぱりダメだとか思ってて」
「うん」
「そのどう説明したらいいかわからないけど、無理やり思い出させてもそれはいいのかなって。違うんじゃないかって思ってて」
「そっか…」
「でも、もう今しかないって思って、今言わないと絶対後悔するから言うね」
そうして俺は少し深呼吸をして思い切って今まで隠してた思いを伝えた。
「大好きだよ、れーくん」
「俺も」
こうして俺達は正式に付き合うことになった。
帰り道
「今日俺ん家来いよ、ずっと会えなかった分一緒に過ごそ」
「うん、わかった」
今日は明日は休みだからとれーくんの提案で泊まることとなった。
「おばさんと一緒なの?」
「いや、母さんは違う。俺の一人暮らし」
「でもこの前買い物帰りのおばさん見かけたよ?」
「あーまぁこの辺でデカイスーパーつったらまるまるマートしかないからな。わざわざあそこまで行ってんだよ」
「なるほど」
確かにそう言われればその通りだ。
「ここが俺の家」
「おじゃまします」
「ご飯にする?お風呂にする?それとも俺?」
「お、おまかせで」
「フフッ、じゃあまずは飯にするか」
「はーい」
そうして俺達は会えなかった期間を埋めるかのように一夜を過ごした。
「お風呂二人じゃ狭いね」
「そりゃもう大人だから」
「もう大人か、俺達も」
「そうだよ………でもこうして会えたんだしいいじゃん」
この幸せが一生続くといいな。
それはそうと腰と腹が痛い…………
俺達は元から毎日お昼ご飯を食べる仲だと噂はされていたが今となってはカップルなのではないか?と囁かれている。
「なぎさ、休憩行くぞ」
「あ、はい!」
俺はいつものように弁当をもらい、一緒にいつもの場所へと移動する。
「あの二人ってあんなに仲良かったっけ」
「部長知らないんですか?あの二人噂によるとカップルだとか」
「え、あ!そうなの?いやー、若いっていいね」
「なぎさも仕事覚えるの早いね」
「嶺のおかげだよ」
「……ねぇ、あのさあの時みたいに呼んでよ」
「え」
「れーくんって、この間も呼んでくれたじゃんか」
「えっと………」
この間のは無意識だったり呼ばなきゃ逃げれなかったから仕方なかったけど意識して言うとなると………恥ずかしい。
「恥ずかしいの?昔から変わらないね」
「あ、そこまで思い出したんですか」
「うん、全部思い出した。一ヶ月も経ったし」
よかったような………よくないような………
全部ということは恥ずかしい過去も思い出されたんだろうか………
「あ、そうだ。俺ねいつもあれ持ち歩いてたんだ」
「あれ?」
「そう、カバンに入れてるから今ないんだけど昔くれた熊のちっちゃいぬいぐるみ」
そういえばあげてたな。指輪とかに気を取られて忘れていた。
「……ていうかいつもってことは記憶戻る前も?」
「うん、なんか大事なものな気がして。肌身離さず持ち歩きたいな?ってなった」
「………」
なんか似ているのかもしれない。俺もこの指輪を貰った頃からずっとつけてて無くした時は一晩中泣いてた気がする。
結局あの時は洗濯機の横の隙間から見つかって安心してまた泣いてたな。
今だって小指にギリギリ入るくらい小さいのに無理やりにでもつけている。
高校生の頃も成長してなかなか入らなかった時、ネックレスにしたらいいと母親からは言われたけど頑なに断ってた。
ずっとつけていればずっと一緒にいるような気がしたから。
「んね、なぎさ。ちょっといい?」
「何?どうかしたの」
「あのさ、ずっと言いたかったことあるんだけど」
「………言いたかったこと?」
れーくんは俺の小指をちらっと見てからこちらに目線を向ける。
(もしかしてこの指輪のことか……?)
ずっとつけてるのみっともないとか重いとかそういうのか………?
そんなくらい考えが頭をよぎっているとれーくんはゆっくり口を開く。
「なぎさってさ、俺のこと好き?」
「………え」
「俺、前記憶戻る前になぎさにさ大事な人がいたとか言ってたよな」
「……うん」
「あの時は思い出せなかったから言えなかったけど」
れーくんはおもむろに俺の前へと移動しあの時みたく壁ドンをしてくる。
(またなにか言われる……!?)
そう思い身構えるとれーくんからは思いもしなかった言葉が飛んできた。
「なぎさ、好きだ。結婚しよう」
「…………え?」
「約束しただろ、結婚しようって」
「え!?」
俺が思い込んでいたこととは全くの真逆の言葉で困惑していた。
でも今OK出せばずっと片思いしてたのも解消されるのでは………
「……急に言って悪かったな。忘れて………」
「待って」
気づくと俺はあの時れーくんがしてきたみたいに手首を掴んでいた。
「俺も………ずっと、十八年くらい片思いだと思ってて、ずっと言えなかった」
「え………」
今しかないと思うと言えなかったこともスラスラと言えてしまう。
「それにね、俺自分で記憶を戻させればいいんじゃって考えてたけどやっぱりダメだとか思ってて」
「うん」
「そのどう説明したらいいかわからないけど、無理やり思い出させてもそれはいいのかなって。違うんじゃないかって思ってて」
「そっか…」
「でも、もう今しかないって思って、今言わないと絶対後悔するから言うね」
そうして俺は少し深呼吸をして思い切って今まで隠してた思いを伝えた。
「大好きだよ、れーくん」
「俺も」
こうして俺達は正式に付き合うことになった。
帰り道
「今日俺ん家来いよ、ずっと会えなかった分一緒に過ごそ」
「うん、わかった」
今日は明日は休みだからとれーくんの提案で泊まることとなった。
「おばさんと一緒なの?」
「いや、母さんは違う。俺の一人暮らし」
「でもこの前買い物帰りのおばさん見かけたよ?」
「あーまぁこの辺でデカイスーパーつったらまるまるマートしかないからな。わざわざあそこまで行ってんだよ」
「なるほど」
確かにそう言われればその通りだ。
「ここが俺の家」
「おじゃまします」
「ご飯にする?お風呂にする?それとも俺?」
「お、おまかせで」
「フフッ、じゃあまずは飯にするか」
「はーい」
そうして俺達は会えなかった期間を埋めるかのように一夜を過ごした。
「お風呂二人じゃ狭いね」
「そりゃもう大人だから」
「もう大人か、俺達も」
「そうだよ………でもこうして会えたんだしいいじゃん」
この幸せが一生続くといいな。
それはそうと腰と腹が痛い…………



