「――それで、掲示板でも見つけたんだ」
教室に戻った僕は、校舎で見つけたシロクマの絵を、絵川に見せていた。
三枚目の絵があったのは、管理棟の一階廊下にある掲示板。
生徒会の連絡や部員募集のポスターの脇に、ひっそりと画びょうで留められていた。
シロクマはさらに大きくなり、周りにはウサギやキツネ、小鳥といった他の動物たちが集まっている。
彼らはシロクマの描いた絵を見て、パチパチと拍手をして喜んでいた。
シロクマは少し照れたように頭をかいている。
「こいつ。褒められるようになったみたいでさ」
僕が笑っていると、絵川が眉間にしわを寄せているのに気づいた。
彼女のノートは閉じられ、机の上はシロクマの絵で占領されている。
僕は絵の中のシロクマのように、頭をかいた。
「……ごめん。邪魔したかな?」
「別に。ずいぶん、楽しそうって思っただけ」
絵川が目をそらしながら言った。
僕は苦笑する。
「探すもの、違うじゃんって話だよね」
「君がいいなら、いいんじゃない?」
「まあ、いいわけじゃないんだけど」
僕はシロクマの絵を重ねる。
それを机の上でトントンと叩き、綺麗にそろえた。
「つい、面白くなってさ。よく分からないものを探すより」
「ふうん」
絵川は、特別興味がなさそうな口調で言った。
彼女は僕が束ねた絵をもう一度見る。
「それ、そんなに良かったの?」
「まあね」
「うまいから?」
「全然」
「は?」
絵川がめずらしく間の抜けた声を上げた。
「美術室にあった風景画の方が、うまかったよ」
「じゃあ……なんで?」
僕は笑って、即答した。
「普通に気にならない? 続き」
絵川は質問には答えず、僕をじっと見つめた。
まるで、言っている意味が分からないとでもいうように。
教室に戻った僕は、校舎で見つけたシロクマの絵を、絵川に見せていた。
三枚目の絵があったのは、管理棟の一階廊下にある掲示板。
生徒会の連絡や部員募集のポスターの脇に、ひっそりと画びょうで留められていた。
シロクマはさらに大きくなり、周りにはウサギやキツネ、小鳥といった他の動物たちが集まっている。
彼らはシロクマの描いた絵を見て、パチパチと拍手をして喜んでいた。
シロクマは少し照れたように頭をかいている。
「こいつ。褒められるようになったみたいでさ」
僕が笑っていると、絵川が眉間にしわを寄せているのに気づいた。
彼女のノートは閉じられ、机の上はシロクマの絵で占領されている。
僕は絵の中のシロクマのように、頭をかいた。
「……ごめん。邪魔したかな?」
「別に。ずいぶん、楽しそうって思っただけ」
絵川が目をそらしながら言った。
僕は苦笑する。
「探すもの、違うじゃんって話だよね」
「君がいいなら、いいんじゃない?」
「まあ、いいわけじゃないんだけど」
僕はシロクマの絵を重ねる。
それを机の上でトントンと叩き、綺麗にそろえた。
「つい、面白くなってさ。よく分からないものを探すより」
「ふうん」
絵川は、特別興味がなさそうな口調で言った。
彼女は僕が束ねた絵をもう一度見る。
「それ、そんなに良かったの?」
「まあね」
「うまいから?」
「全然」
「は?」
絵川がめずらしく間の抜けた声を上げた。
「美術室にあった風景画の方が、うまかったよ」
「じゃあ……なんで?」
僕は笑って、即答した。
「普通に気にならない? 続き」
絵川は質問には答えず、僕をじっと見つめた。
まるで、言っている意味が分からないとでもいうように。

